2019
07.16

黒川文雄のEyes Wide Open VOL.41「ありそうでなかったVRで剣戟(けんげき) 「ソード・オブ・ガルガンチュア」体験記」

EyesWideOpen

記憶のかなたのVR体験

いったい何時になったらリリースされるのだろうか?と思っていたのである・・・。

かなり前にデモバージョンの体験をしていたのだが、記憶のなかで徐々に薄れ始め、よむネコの開発者から最近になって「ほぼ出来上がってきたので、体験してみませんか?」という案内をいただいたのがキッカケだ。

果たして、あれからどのようにこの作品、この体験はブラッシュアップされているのだろうか。荒天の中、西新宿のGumi社に向かった。

正式名称は「ソード・オブ・ガルガンチュア」(以下ガルガンチュア)、オキュラス社からもクエストに対応し、マルチプレイで、クロスプラットフォーム対応では世界初のVR剣戟ゲームという認定を受けているという。

壮大なスケールの剣戟(けんげき)VRゲーム

まず初めに簡単に、この「ガルガンチュア」に関して3つの特徴を説明しておこう。

1・VR空間でのリアルな剣戟

2・オンラインマルチプレイバトル

3・巨大で強大な敵ガルガンチュア

というもので、さらには、シングルステージが100面!、マルチプライヤーステージが3面、ラスボス・ガルガンチュアとの戦いが1面と・・・どんだけステージ作ったんだよ・・・と突っ込みたくなる構成だ。武器は30種類以上、総プレイ時間は7時間以上。対応ハードはPC向けVRハードとしてオキュラス・リフト、HTC VIVE、ウインドウズMR、スタンドアローン(ワイヤーなし)VRハードとしてオキュラス・クエストに対応している。これらを活用して世界初のクロスプレイが可能というもの世界初のものだ。

これら全部で販売価格が19・99ドル(日本円で1990円)、この販売価格だとモトを取るのは大変な数のダウンロードを稼がないといけないのではと、こちらが心配するようなレベルの良心的な内容だと思う。

プレイして感じたこと

まず、VRの世界観自体が良く出来ていると思う。基本的には日本人が考えた中世の古典的な騎士の世界観だが、それがむしろ無国籍な世界観を醸成していると思う。ゲーム自体は、現れてくる敵を剣を使って切り倒す、また盾も途中から出現するので、両手を活用して攻撃と防御をバランスよく使いこなすことで敵をクリアする。基本的には自身と敵の距離感を詰めていかないと対戦にならない。そのため、最初はどこまで近づいていいのか、どこで攻撃したらよいのかが戸惑う部分があるが、数回、敵と剣を交わせば感じることができる。あとは剣を振るうだけではなく、パリィ(parry)という、受け流すという部分も対戦では必要だ。

私自身はスタンドアローン・タイプのオキュラス・クエストでフリーローム体験を行ったが、体験の自由度はとても素晴らしい、もちろんハデにアクションを行うことは難しいが、剣を振り下ろす感覚や、相手との剣とのコリジョン(衝撃)感覚などが秀逸だと感じた。

ただし、個人的に違和感があったのは腰の位置にある剣がやや体から離れたところのある感覚が体験のなかで操作しづらさを感じた。その点に関して開発者に確認をしたが、体格の大きな外国人にも違和感の無いようにプレイしてもらえるように腰の剣の位置をやや外向きにセッティングしているとのことだった。

このあたりは体格に併せてアジャストできるようになるとさらに操作感やゲームの体感部分は向上するのではないだろうか。

とにかく剣を持ったら最後、切って、躱(かわ)していく以外の選択肢はないストレートなVRゲームだ。全ステージは100種類、武器は30種類に及ぶと言う、2年を開発期間を経てローンチした「ソード・オブ・ガルガンチュア」をプレイしてみてほしい。

ソード・オブ・ガルガンチュア 公式サイト

https://www.gargantuavr.com/home-jp

▲ソード・オブ・ガルガンチュア 筆者体験動画抜粋

筆者: 黒川文雄(くろかわふみお)

1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDE、にてゲームソフトビジネス、デックスエンタテインメント、NHN Japanにてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンタテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。ジャーナリスト、コラム執筆家、アドバイザー・顧問。
『ANA747 FOREVER』『ATARI GAME OVER』(映像作品)『アルテイル』『円環のパンデミカ』他コンテンツプロデュース作多数。
黒川メディアコンテンツ研究所・所長。コンテンツとエンタテインメントを研究する黒川塾を主宰。現在、注目するカテゴリーはVR、AR、MR、AIなど多岐に渡る。