2019
07.11

【World MR News】アニメとゲームの世界と現実が混ざり合う新たなVRエンターテイメント施設『MAZARIA』が池袋サンシャインシティにオープン!

World MR News

バンダイナムコアミューズメントは、7月12日に池袋サンシャインシティ ワールドインポートマートビル3階に、アニメとゲームに入る場所『MAZARIA(マザリア)』をオープンする。それに先駆けて、7月9日にメディア向けの内覧会が開催された。こちらでは、その模様をお届けする。

今回の内覧会では、『MAZARIA』のコンテンツを作ったコヤ所長こと小山順一朗氏とタミヤ室長こと田宮幸春氏のふたりによる、オリエンテーションという形で行われた。惜しくも今年の3月31日で閉店してしまった『VR ZONE SHINJUKU』だが、そこから新たなコンセプトでこの『MAZARIA』が生み出されている。

「VRという言葉が難しいため、より広めていくために新しい解釈にしています。それが、“アニメとゲームに入る場所”という『MAZARIA』のコンセプトです。アニメやゲームの世界にいるキャラクターと、現実世界の人々が“混ざり合う”場所を目指したことから、この名称が付けられています」と、コヤ所長は説明する。

▲コヤ所長こと小山順一朗氏。

こうしたコンセプトを、実際に訪れたユーザーが素直に体験できるような仕掛けも用意されている。たとえば、『WALL MAZARIA』と呼ばれているエントランス部分は、何もないときはただの黒い壁があるだけだ。しかし、そこには特別な仕掛けが用意されている。

演出が始まるとアーケードゲームの起動時のように、壁一面に数字やクロスラインが表示され、ストーリーが展開されていく。パックマンの画面が表示されると、その中に様々なキャラクターが登場。レトロなパックマンからリアルなCGへと変化するなど、様々な演出が繰り広げられていくのだ。ときおり『MAZARIA』で展開されているアクティビティの映像も盛り込まれており、見ているだけでワクワクしてくるような映像となっているのである。

▲入り口からすでに『MAZARIA』の演出は始まっている。

こうした演出に関してタミヤ室長は、「バンダイナムコグループは、様々なアニメやゲームを商品やサービスとして提供しています。リアルな施設を扱っているバンダイナムコアミューズメントとしては、その中で何ができるか考え、四角い画面の向こう側、我々が憧れているアニメやゲームの世界に飛び込んでしまう施設を本気で作ったらどうなるのか考えました。この『MAZARIA』は、現実世界と向こう側の世界を繋ぐ中間地点として存在しています。このストーリーラインをユーザーに信じてもらえるように、入り口の壁から演出が施されており、施設の中に入っていくという仕掛けになっています」と説明した。

▲タミヤ室長こと田宮幸春氏。

コヤ所長とタミヤ室長の先導で、ツアー形式で施設の中に入ると、最初に目にするのが、超巨大ゴーグルの映像だ。こちらでは『MAZARIA』が出来た秘密が明かされる、ちょっとだけアカデミックな映像が見られるようになっている。といってもあくまでもエンターテイメントとしての作りになっているだが、VRの歴史もちょっとだけ学ぶことができ一見の価値ありだ。

4つのアクティビティも初登場!

『MAZARIA』では、大きく分けて「SF ZONE」「ADVENTURE ZONE」「PANIC ZONE」「FESTIVAL ZONE」の4つのゾーンがあり、それぞれ4~6のアクティビティが楽しめるようになっている。この中で、今回が初登場となるのは『パックマンゴーランド』『アスレチックVR PACMAN CHALLENGE』『太鼓の達人 VRだドン!』『ゾンビサバイバルゲーム ハード・コール』の4つだ。

▲テーマごとにアクティビティが楽しめるようになっている。

■『パックマンゴーランド』

入り口付近にあるのが、待ち合わせやフォトスポットとしても活用されそうな『パックマンゴーランド』である。こちらは、パックマンやゴーストといったキャラクターたちと一緒に回るメリーゴーランドで、Ken Ishiiさんが書き下ろした楽曲「The World PAC-MAN」が流れるようになっている。

■『アスレチックVR PACMAN CHALLENGE』

『アスレチックVR PACMAN CHALLENGE』は、つい最近発売されたばかりのスタンドアロンタイプのVRゴーグル『Oculus Quest』を使ったアクティビティだ。こちらでは、プレイヤー自身がパックマンになって、ゴーストを避けながら全身でクッキーを集めていく。ちなみに、先ほどのKen Ishiiさんの楽曲は、本作のオフィシャルテーマ曲となっている。

■『太鼓の達人 VRだドン!』

おなじみのリズムゲーム『太鼓の達人』をVR化したのが、『太鼓の達人 VRだドン!』だ。『太鼓の達人』というと2次元的な譜面に合わせてバチで太鼓を叩いていくというイメージだが、こちらはなんと空中を飛んでくるといた立体的な演出になっている。その分、新鮮な気分でプレイ出来そうだ。

■『ゾンビサバイバルゲーム ハード・コール』

ゾンビウィルスが蔓延する街で、生き残った体験者となり、感染を防ぎながら街からの脱出を目指すといった内容のアクティビティだ。触れたらゾンビになってしまうという恐怖と闘いながら、力を合わせて生き延びよう。

▲この施設に登場する住人(スタッフ)たちは、アンドロイドという設定だ。「マーザーレー」と呼ぶと様々なポーズで挨拶を返してくれる。

■『VR ZONE』での経験を活かしてスタッフの負担も軽減

今回の取材では、アクティビティの体験だけではなくコヤ所長とタミヤ室長の囲み取材も実施された。

――『VR ZONE』との違いを教えていただけますか?

コヤ所長:『VR ZONE』を4年ほどやってVRがお客さんに、どのように認識されているか十分にチェックした上で、VRが難しいと感じる人が結構多かったことがわかりました。8割ぐらいのお客さんは、VRを体験したにもかかわらずVRが難しいと捉えています。そのため、VRを仮想現実と呼ぶのをやめて「VR=アニメとゲームの世界に入れる、楽しい体験ができる」ということを、言い切ることにしました。それはバンダイナムコだからできると考えています。

この『MAZARIA』は、遊園地を意識して世界観が作り込まれています。ゲームセンターでもなく、新しい2次元と3次元の狭間がコンセプトです。そのため、VRを楽しむというよりも、世界観ごと楽しんでもらいたいと考えています。そこが『VR ZONE』とはまったく違うところです。

▲4人のプレイヤーで対戦できる『パックマン バトルロイヤル』。パワークッキーを食べてライバルをやっつけて、最後まで生き残ったプレイヤーが勝ちとなる。

――アニメやゲームをVRコンテンツにするときの難しさはどこにありますか?

タミヤ室長:VR体験は、何でも出来てしまうがゆえに、主人公にしてしまいがちです。たとえば実際に自分がスーパーマンになったときに、コンクリートを殴ったときに簡単に壊せますが、自分が持っている能力との差がありすぎるので、現実感が喪失してしまいます。そのため、我々がコンテンツを作るときによくやるのは、我々自身がそのままの体で夢の世界に入るようにしています。

『エヴァンゲリオン』でいうと、自分自身がそのままパイロットになったように作ります。『ドラクエ』の場合は、自分自身が戦士や魔法使いになって、あの世界に入ったらという形にします。必ずその世界の主人公たちは、本当はすごいんだなと思うような体験を作ることで、自分自身のリアルさとその世界の整合性を取ることを工夫しています。

▲まさに『ドラクエ』の世界に入ったかのような気分が味わえる『ドラゴンクエストVR』。

▲世界観もしっかりと再現された『エヴァンゲリオンVR The魂の座:暴走』。ちなみにこのときはスタッフの衣装がまだ間に合わなかったそうだが、原作に忠実なものになる予定だ。

――『VR ZONE SHINJUKU』は期間限定でしたが、今回の『MAZARIA』は常設でしょうか?

コヤ所長:長~いです! アニメとゲームのアクティビティがありますが、どんどん拡大していきます。

――『VR ZONE SHINJUKU』で学ばれた運用面や反省点などいろいろあると思いますが、そちらはどのように活かされていますか?

コヤ所長:これまでアクティビティの準備には、かなりの労力が掛かっていました。それがかなり軽減されています。

タミヤ室長:映像などを使うことで、オペレーターが話す文量もかなり減らしています。VRゴーグルも自分で付けていただく形になっています。運営面でが、そうしたやりかたが改善されています。たとえば『太鼓の達人 VRだドン!』など新しいアクティビティを体験していただくと、スタッフが何も説明しなくても次々進んでいくという流れがわかると思います。

▲施設内ではVRゴーグルの取り扱い方法が、動画で流されていた。

コヤ所長:『VR ZONE SHINJUKU』は、4つのアクティビティ体験で4400円でした。今回は、4500円で遊び放題になっています。大盤振る舞いで収益は大丈夫かと思われるかもしれませんが、そちらのほうが、お客様は何度も遊ばれます。

たとえば、『VR-ATシミュレーター装甲騎兵ボトムズバトリング野郎』は、『VR ZONE SHINJUKU』では最終的に8日間だけでフリーで提供してみました。その結果、回転率が450パーセント上がりました。楽しいコンテンツは繰り返し遊びたくなります。しかし、「もう1回プレイするのに1000円払うのか」というようになるのであれば、遊んでもらってどんどん上手くなってもらって、友達を誘ってきてもらうことで、再評価されるようになります。

タミヤ室長:そうした意味では、新アクティビティの『太鼓の達人 VRだドン!』や『アスレチック VR PAC-MAN CHALLENGE』などは、もう一回チャレンジしてみたいと思うようなものになっています。

▲会場内では、サルベージしてきたという貴重なポスターも貼られていた。ほかにもいろいろあるので、ぜひ見つけて見て欲しい。

▲なんともおどろおどろしいエリアも。ここを通らないとトイレに行けないのも、演出のひとつか!?

▲施設内は意外と広く、最初は迷ってしまうかもしれない。右下はスタンプラリーなどを行っている期間限定イベントブースだ。

▲出口近くにはお土産に最適なショップも。

■施設概要

店舗名:アニメとゲームに入る場所 MAZARIA

住所:東京都豊島区東池袋3丁目-1

サンシャインシティ ワールドインポートマートビル3階

オープン日:2019年7月12日(金)

URL:https://bandainamco-am.co.jp/others/mazaria/

機材協力:HTC

©ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

©Nintendo Licensed by Nintendo

©カラー

©サンライズ

©創通・サンライズ

TM & © TOHO CO., LTD. ©BANDAI NAMCO Entertainment Inc. PAC-MAN is a trademark/registered trademark of BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

©BANDAI NAMCO Amusement Inc.

PhotoWords 高島おしゃむ
コンピュータホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。
雑誌の執筆や、ドリームキャスト用のポータルサイト「イサオ マガジン トゥデイ」の
企画・運用等に携わる。
その後、ドワンゴでモバイルサイトの企画・運営等を経て、2014年より再びフリーで活動中。