2019
07.09

【World MR News】eスポーツからドローンにVRまで人気のエンタメが一同に集結! 交流イベント「ベースキャンプ・フェスタ2019」をレポート①

World MR News

6月28日に、ソニーシティ大崎で交流企画イベント「ベースキャンプ・フェスタ2019」が開催された。この「ベースキャンプ」とは、人それぞれが目指す山(目標)を登る人が集える場所という主旨で名付けられたイベントだ。これは、ソニーグループのみにかかわらず、他の企業や異業種の人たちとも交流できる場として開催されている。

初回は30名からスタートしたイベントだったが、会を追うごとに参加者も増え、これまで述べ4000名も参加している。今回は、エンターテイメントを軸にした人気の交流企画「エンタメ交流会」の第2弾として開催されており、eスポーツやドローン、VR、ライブ、DJなど複数の催しが3つのスペースで実施された。

▲アメリカ発激うまシンガーのメンチャカさん(右上)や埼玉発新進気鋭ラッパー・ERIKAさん(左下)のライブの他、父ノ背中所属の女性プロゲーマーHatsumeさん(右下)もイベントに参加し、eスポーツコーナーで参加者たちとゲーム対戦を行っていた。

▲多くの人が参加するということもあり、メインのHall A後方では、お菓子やジュースなどが用意されていた。また、人間図鑑や占い、エステなどのコーナーも用意されており、まさにバラエティに富んだイベントとなっていた。

■AIで人物の背景をリアルタイムに切り抜き! 4G回線でも見られる4K高画質VR動画も配信

Hall Aで展示を行っていたのが、Free-Dだ。こちらでは、人の動きをAIが解析することでクロマキーなしに、リアルタイムで人物を切り抜いて背景を合成する技術のデモ展示が行われていた。背景を抜くだけではなく、その場所にリアルタイムでエフェクトも掛けることができる。キラキラしたものが付いてくるなど、これまで編集で行っていた作業が、瞬時にできるためステージ演出などの映像表現の幅も広がるという。

▲その場に設置しているカメラで取り込んだ人物を、リアルタイムで背景を切り抜き合成している。

Hall Aのステージ前には360度カメラが設置されていたのだが、こちらは動画配信ソリューション『VOLS (Video Optimized Lossy compression Solution)』を使用し、7Mbpsのビットレートで4KのVR映像が配信されていた。

4Kの配信というと、一般的には5G回線を使うイメージだが、こちらは4G回線でも見られるというところがポイントだ。h.264の圧縮方式を、同社独自のアルゴリズムを使って最適化していることで、実現している。

レーテンシーは5秒ほどあるそうだが、インターネット配信の場合は30秒~1分ほどの遅れはあるため大きな問題にはならなそうだ。

▲当日のHall Aのステージの模様を、4K高画質VRで見ることができる。

■プログラミングも可能な教育向けロボット『RoboMaster S1』

DJI Japanが、Hall Bで展示していたのが『RoboMaster S1』だ。これは、元々中国のロボットコンテストが発祥で、それを小型化して製品化した商品である。会場内では4台の『RoboMaster S1』が用意されており、タブレットでコントロールしながら対戦が行えるようになっていた。バトルロイヤル対戦のほかレースなどもできるそうだ。

ちなみにこちらは対戦用のホビーというわけではなく、教育用として販売される。その理由はプログラミングに対応しており、入門者向けプログラミング言語の『Scratch(スクラッチ)』とPythonで制御できるようになっているそうだ。

バトルならば、あらかじめ8の字を描くように動くようにプログラミングすることで、必殺技っぽくしたり、あるいはレースの時は、90度曲がるというものをプログラムで組んでおいたりといったことができる。ちなみにこちらは6月に発売されたばかりで、価格は6万4800円だ。

▲同社で取り扱っているドローンも展示されていた。

■インド人が作った奇妙な発明品を展示!?

Hall Bの中でもひときわ変わっていたのが、インドからやってきたという発明家Ravi(ラヴィ)氏の発明品を展示していた「Ravi’S Land」だ。大きな球のような物体は、何に使うのかはわからないが、呼吸と連動するマシンである。

▲呼吸と連動するマシン!?

また、カード型のゲーム機も展示。こちらは、同じものをくっつけるだけでデータのやりとりが行えるという。このときは上手く動かなかったが、液晶画面自体は小さいながらもくっきりと表示されているため、なかなかユニークなデバイスである。ちなみに、こちらはまだ開発中とのこと。

このほかにも、インターネットなしで顔認識ができるデバイスや、触ったら音楽が鳴るカーペット(!?)なども同ブース内で展示されていた。

▲こちらはカード型のゲーム機。開発中ということもあり、ボタンはシールのようだ。

▲カーペットから流れる音楽は、なぜか「ハッピーバスデー」で、ときおり音程が外れていた。

■VR用モーションライドデバイス『キックウェイ』で恐竜のテーマパークを周遊

Hall Bのハシラスブースでは、同社が開発したVR用のモーションライドデバイス『キックウェイ(Kickway)』を使った、体験が行えるようになっていた。ソフトもハードも自社で手がけているという同社だが、社長の安藤晃弘氏は元マジシャンというユニークな経歴を持っている。

▲安藤晃弘氏。

VRの体感は手品の体感と似ており、相手が驚くポイントなどを熟知している。同社の製品はすべて安藤氏がプロデュースしており、体感が面白いコンテンツに強いのが特徴となっている。

今回は『キックウェイ』を使った『DINO Kickway』という、恐竜のテーマパークの中をライドに乗って周遊するコンテンツが出展されていたのだが、わずか開始1時間ほどで整理券の配布が終了したそうだ。

▲こちらが『キックウェイ』。コンパクトなサイズながらVRの没入感や臨場感を高めてくれるほか、VR酔いを低減するという、モーションライドと同様の特徴も持っている。

■『リアル脱獄ゲーム』と『遊戯王OCG』のアピール

Hall Bでは、「いつもと違う非日常を!! リアル脱出ゲームのご紹介」と題して、『遊戯王OCG』のファンコミュニティ紹介と、『リアル脱獄ゲーム』を紹介するブースも出展されていた。

『リアル脱獄ゲーム』のほうは、一般の参加者が生配信を行いながらバラエティ番組でおなじみの『逃走中』を実践するという主旨のものだ。バトロワのように時間ごとにエリアが縮小されていき、その中で「脱獄犯」と「私服警官」に分かれて、逃走と逮捕劇を繰り広げていく遊びだ。

実際には、渋谷の1区画というかなり広範囲で実施されているそうだ。テレビ異なる部分は、参加者が自らライブ配信をしているため、視聴者からのコメントなども見られるようになっているところである。次回開催は未定だが、11月あたりに100人規模で実施したいとのこと。

▲『リアル脱獄ゲーム』参加者が配信している映像。

PhotoWords 高島おしゃむ
コンピュータホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。
雑誌の執筆や、ドリームキャスト用のポータルサイト「イサオ マガジン トゥデイ」の
企画・運用等に携わる。
その後、ドワンゴでモバイルサイトの企画・運営等を経て、2014年より再びフリーで活動中。