2019
04.10

【World MR News】本場の銃競技のリアルさをVRで実現!――VRガンシューティングシミュレーター『Vshooter』が5月より登場

World MR News

ASATECは、VRを使用したシューティングシミュレーター『Vshooter』のロケテストを、4月5日と6日に東京・渋谷のVRカフェバー「VREX(ヴィレックス)」で実施した。この『Vshooter』とは、VRでシューティングスポーツが体験できるアーケード向けの筐体だ。最大4人まで参加することができ、ダーツやボーリングのような感覚で楽しめるというのが特徴である。

今回はロケテストが行われている現場にお伺いして、『Vshooter』の魅力について、ASATEC代表取締役の朝日恵太氏にお話を伺ってきた。

ASATEC代表取締役の朝日恵太氏。

『Vshooter』なら仲間と盛り上がることができる

――『Vshooter』がどんな内容のコンテンツか教えていただけますか?

ボーリングやダーツのような、4人で交代して遊ぶゲームがあります。その銃バージョンの競技ができるゲーム筐体です。横に並べて設置することもできますが、その場合は4人ずつレーンごとにプレイします。

銃の競技は、通常広いスペースが必要になります。それを、コンパクトなスペースで楽しめるところも特徴のひとつです。普段サバイバルゲームをやっている人からは、「音がいい」という感想をいただきました。エアガンなどでは「プシュプシュ」という感じですが、こちらは本物の銃を撃ったときのような音が聞こえるので銃が好きな人は楽しめると思います。

――銃の音はどのように用意されたのですか?

銃の音は専門の方に作ってもらいました。弾が当たるだけではインパクトがないので、当たったときや得点がいいときは別の音が出るようにしています(笑)。そうした爽快感を味わっていただきたいですね。できる限り本場の銃施設のようなものに近いものを作りたかったので、ゲームというよりもガンシミュレーターとしてリリースしています。

55インチのモニターで、プレイ中の模様も見られるようになっている。

――海外には銃が撃てる施設などがありますが、そのイメージでしょうか?

そうですね、そうしたものをイメージしています。海外には5つの的を何秒で撃ち抜くことができるか競う「スティールチャレジ」と呼ばれる射撃競技がありますが、そちらにも挑戦することができます。「ブルズアイ」では、的に当てる正確性と集中力を競い合います。それ以外にも、ミニゲームとして「01」やダーツの的を使用した競技なども、用意しています。

『Vshooter』ならではの体験として、目の前で仲間のプレイを見ながらみんなで盛り上がることができるのも特徴です。

――今回2回にわけてロケテストが実施されますが、その反応がコンテンツに反映されていく感じでしょうか?

実は、昨年9月の「東京ゲームショウ 2018」に出展しており、そのときのフィードバックを今回盛り込んでいます。今後は、もっと音の迫力を出すなどの調整もしていきたいと考えています。5月の中旬より納品が始まるため、順次調整していく形になります。

――『Vshooter』のセールスポイントを教えていただけますか?

弊社はお化け屋敷など多数のVRコンテンツを持っていますが、スタッフが付かなければいけないなど運営側から見るといくつかデメリットがあります。人件費も掛かりオペレーションも複雑です。また、ゲームのプレイ料金も700~1000円と高めになってしまいます。

そうした声を聞いていたので、そこを改善するためにこの『Vshooter』ではタッチパネルモニターを用意しています。これがあることによって、お客様ご自身で操作することができます。4~5レーンあっても、スタッフがひとりいればそこからコントローラーを渡してプレイしてもらうことができます。ロケテストに訪れたお客さんも、ほとんど説明なしにプレイされています。

こちらがタッチパネルの画面。説明に従っていくことで、ゲームのルールやVRゴーグルの装着方法などがわかるようになっている。

――実際にロケテストを体験した人たちの声はどんな感じでしょうか?

いいですね。何回も遊びたいという方が多かったです。実際に何度もプレイされていますし、先ほど訪れた方も普段エアガンで遊んでいるそうで、「どこで遊べるの?」と聞かれました。まだどこにも入っていないのですが(笑)。

今回は精度にこだわっています。シューティングゲームは、2Dのものも含めて、世の中に沢山存在しています。しかし、VRは奥行きがあるので近くのものや遠くにあるものなどを3D的に反映できるので、より銃の競技に近いものにできると考えています。そのため、しっかり狙ったときに弾が飛ぶように作っています。

実際に普段サバイバルゲームなどをやっている方にプレイしてもらい、その人が「当たらない」というと、やはり本物とは違うということになります。本物に近づけるように「東京ゲームショウ 2018」にも出展しました。そのときは銃コンはなかったのですが、付けた方がいいという意見から銃コンも付けるようにしました。

――今後コンテンツが増えていく予定はございますか?

今回のロケテストでは「ブルズアイ」と「01」だけですが、それに加えて3つのコンテンツが増えて、トータルで5つのゲームが遊べるようになります。1回遊んで終わりではなく、やり込み要素があるVRコンテンツを作りたいと考えています。リピーターに繋げるには、楽しんでもらう必要があります。そのためには、何度も挑戦してうまくなりたいという要素も大事になります。

今後筐体が普及してきたら、会員システムを入れて個人のランキングがアプリで見られるようにするということもやっていきたいと思っています。まずは筐体の普及が優先になるので、実現するのは1年後ぐらいです。みなさんにも遊んでもらい、大会も実施したいですね。

パーフェクトでは「AMAZING!」と表示されるなど、得点によって様々な演出が用意されている。

――今の完成度はどれぐらいのイメージでしょうか?

eスポーツのようなものになるところまでを考えると、まだ30~40パーセントぐらいです。オフラインモードの筐体としては、あと3ヵ月で5つのコンテンツがそろって完成します。開発から2年間掛かっているので、今年の秋に完成して、あとはオンラインをどこまで対応していくかというところになっていきます。

――ありがとうございました!

うまくいかずについ何度もプレイしたくなるゲーム性

ロケテストということもあり、実際に筆者もこの『Vshooter』を体験させてもらうことができた。FPSなども少しはたしなみ、ゲームセンターでも多少銃系のゲームを遊んだことがあったため軽い気持ちでプレイしたのだが、これがなかなか難しく、弾が的に当たってくれない。

ハンドガンタイプのコントローラーにはアイアンサイトがあり、それを使ってしっかりと的に狙いを定めてから撃たないと当たってくれないのだ。また、よくあるシューティングゲームとは異なり、リロードという概念はない。つまり、手持ちの残弾のみで正確に撃つ必要があるのである。

これがプレッシャーになり、初見プレイではうまくいかない。そこで、ゲーム終了後に「もう1度プレイしたい」と誰しもが思うような作りになっている。VRコンテンツの多くは一生に一回しか遊ばれないと言われることが多いが、そうしたものとは大きく異なるタイプものとなっている。

横から見ていると簡単そうだが、弾を当てるにはそれなりの練習が必要だ。ステージが進むと的も動くため、さらに難易度も上昇する。

ちなみに、この筐体が設置されている場所に隣接した部屋でインタビューを行っていたのだが、誰もオペレーターが付いていなかったにもかかわらずVRカフェに訪れたお客さんが『Vshooter』を楽しんでおり、その声がもれ伝わってきた。いずれも声を上げながら楽しんでいる様子で、特に仲間同士などのパーティプレイには最適なゲームといえそうだ。

5月中旬からは様々な場所でプレイ出来るようになる予定ということなので、どの店舗で遊べるかなどの詳細は今後の続報を楽しみに待とう。

PhotoWords 高島おしゃむ
コンピュータホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。
雑誌の執筆や、ドリームキャスト用のポータルサイト「イサオ マガジン トゥデイ」の
企画・運用等に携わる。
その後、ドワンゴでモバイルサイトの企画・運営等を経て、2014年より再びフリーで活動中。