2019
04.10

【World MR News】立体音響から同時プレイVR、話題のホログラムディスプレイも登場――「コンテンツ東京 2019」レポートその①

World MR News

リード エグジビション ジャパンは、4月3日から5日まで東京ビッグサイトで日本最大のコンテンツビジネス総合展「コンテンツ東京 2019」を開催した。今回は、「先端デジタルテクノロジー展」や「映像・CG制作展」など7つの専門展が一堂に開催。前回比120社増の1350社が出展していた。

本稿ではその中から、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズソニーPCL、ソリッドレイ研究所、Looking Glass Factory、ネクストスケープ、クロスデバイスNTTテクノクロス、Life is Styleの6つのブースをピックアップしご紹介していく。

■「ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズソニーPCL」ブース

ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズソニーPCLのブースで出展されていたのは、同社が独自に開発した波面合成アルゴリズムを活用した空間音響製品の『Sonic Surf VR』だ。こちらの特徴は、空間上に音像を自由に配置できるというところ。自分が空間内を移動しても、その音が鳴る場所は動かない。いわば、音のホログラムといったイメージの技術である。

会場には、1台につき8個のスピーカーを搭載したスピーカーユニットが16台設置されており、それにLANケーブルを挿すことで8チャンネル分のオーディオチャンネルと電源を送り、デジタルからアナログに変換後、サウンドが出力されている。

今回は、リットミュージック主催で開催されたサウンド・インスタレーション展「Touch that Sound!」に出展されていたものが、会場内にも流されていた。こちらには、Corneliusや中野雅之氏などが参加しており、これまでにない表現方法で作られた音楽が聴けるようになっていた。

ひとつのスピーカーユニットの中に8個のスピーカーが設置されている。

『Sonic Surf VR』では、音を空間内に自由に配置出来る以外にも、自在に音を動かしたり、列ごとに音場を区切って聴かせたりといったこともできる。例えば左端は日本語で真ん中が中国語、右端が英語といった風に聴かせる言語を分けることも出来るのである。

音楽以外にも、ゲームやVRとも相性がいいため、アミューズメント施設や展示会、美術館や水族館などでの活用も想定しているそうだ。

■「ソリッドレイ研究所」ブース

ソリッドレイ研究所ブースでは、3名同時にVR体験ができるマルチプレイヤー型VRシステム『オメガシップ』を使ったコンテンツが体験できるようになっていた。これまでのVRの弱点のひとつに、ひとりでしか体験できないというところがあげられる。それを複数人でも利用出来るようにしたのが、こちらである。

今回体験できたゲームは、廃船の中で凶悪なヒトデを退治するといった内容の作品で、3人ひと組で挑んでいく。VRゴーグルを付けて専用の銃のようなものを持ってゲームがスタートするのだが、ときおり他の仲間がヒトデの攻撃で感染してしまうので、それを銃で撃つことで解除してあげることができるようになっている。

右上の白いのは、ヒトデの攻撃で感染中のプレイヤーの画面だ。視界も悪く見えにくくなってしまう。

映像だけでも十分ではあったが、実は参加者同士が音声でコミュニケーションできるようになっており、自分が感染しているときに助けを求めることもできる。

本システムはゲーム以外にも、火災訓練など防災系や安全系の訓練にも対応している。すでに、鉄道会社や製鉄会社には、訓練用に納品が行われているとのこと。

■「Looking Glass Factory」ブース

ブルックリンと香港を拠点に活動しているLooking Glass Factoryのブースには、話題の卓上型ホログラムディスプレイ『Looking Glass』が展示されていた。この『Looking Glass』は、ライトフィールドとボリュームディスプレイ技術を統合して、ひとつに再現できる3次元ディスプレイシステムだ。

写真では伝わらないが、画面を左右からのぞき込むことでそこに3Dで作られた立体的な映像が見られるようになっている。静止画だけではなく、3Dのアニメーションやインタラクティブなコンテンツも表示できるのが特徴である。

『Looking Glass』では、コンピューターバーチャルシーンを毎秒60フレームで表示することができ、各フレームシーンも同時間の45ユニークなビューで映し出すことができる。Unity SDK、three.jsライブラリー、3Dプリンターアプリとモデルインポーターに対応しており、HoloPlay C/C++ API、Quite Viwer、OpenGLにも近日対応する予定である。

会場内では、Looking Glass FactoryのCEOであるShawn Frayne氏自らがブースに立ち、その場で3Dスキャンした映像を『Looking Glass』に映し出すといったデモも行われていた。

3Dスキャン後、トリミングして『Looking Glass』に表示している。

Looking Glass Factory CEOのShawn Frayne氏。

■「ネクストスケープ」ブース

ネクストスケープのブースでは、中電シーティーアイと共同開発した『外線工事MR』が出展されていた。これは、『HoloLens』で仮想の電柱・電線を表示して、現場で直感的な操作が行えるようにしたシステムだ。

特定のポイントを起点に、次の電柱をどこに立てるかといった情報を、『HoloLens』に表示することができるほか、『Microsoft Azure』と連携することで、電柱を立てた場所を図面にも起こすこともできる。また、電柱の距離の測定も行うことが可能だ。

『HoloLens』を使うことで、現実世界にCGを重ね合わせて表示することができる。

■「クロスデバイスNTTテクノクロス」ブース

8KVRを始め、VRに関する様々な展示が行われていたのがクロスデバイスNTTテクノクロスのブースだ。こちらでもっとも押していたのが、最新VRプレイヤーである。スマートフォン向けVRアプリSDKの『idogaV5+パノラマ超エンジン』では、複数の場所で撮影したVR映像を切り替えられる「マルチアングル」や立体音響が再生できるほか、画面内のどこが一番見られているかをヒートマップで可視化することもできる。 

『idogaV5+パノラマ超エンジン』でヒートマップを表示しているところ。

また『サイクリングVR』も体験できるようになっていた。こちらは、自転車スピード連動型360VR映像再生システムだ。こちらは、世界の絶景を記録した空撮映像を多数所有しているAirPano社と提携しており、VRゴーグルを付けてペダルを漕ぐことで、空中散歩を楽しむことができる。コンテンツダウンロード型のサービスで、月額課金制で利用できるとのこと。

360度自由に移動できるわけではないが、空を優雅にお散歩している気分が味わえる。

 

■「Life is Style」ブース

Life is Styleのブースでは、特別なゴーグルなどは不要で浮遊する立体的な3D映像が楽しめる『3D Phantom』が展示されていた。こうしたイベントではよく見かけるものだが、扇風機の羽根のようなところにLED光源がライン上に取り付けられており、それが高速回転してアニメーションを表示できるというものである。

仕組み自体はシンプルだが、ロゴや絵が立体的に動いているように見えるので、それなりのインパクトがある。 

ブラウザで簡単に操作が行える『Phantom Cloud』にも対応しており、イベントや季節ごとなどに合わせて3D映像を選択することもできる。また、3D文字生成機能を利用することで、入力した文字からオリジナルの3D映像を作ることも可能だ。

■「コンテンツ東京 2019」開催概要

展示会名:コンテンツ東京 2019(全7展から構成)

会期:2019年4月3日(水)~5日(金)10~18時

会場:コンテンツ東京:東京ビッグサイト 西展示棟

AI・人工知能EXPO:東京ビッグサイト 青海展示棟

主催:リード エグジビション ジャパン株式会社

 

PhotoWords 高島おしゃむ
コンピュータホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。
雑誌の執筆や、ドリームキャスト用のポータルサイト「イサオ マガジン トゥデイ」の
企画・運用等に携わる。
その後、ドワンゴでモバイルサイトの企画・運営等を経て、2014年より再びフリーで活動中。