2018
07.17

黒川文雄のEyes Wide Open VOL.17「京都でVR(バーチャルリアリティ)小旅行」

EyesWideOpen

ここ数年、毎年6月頃に関西圏に出張を兼ねた小旅行をしている。

今回の京都出張は、4月に訪問した取材対象があって、今回は追加取材を行うために6月の後半から出張の予定を入れていた。

ちなみに、なぜ、この時期に毎年関西への旅行(兼出張)なのか・・・というは、最初の動機はビットサミットに興味があり、見学したことに端を発する。同時にミドルウェアの展示会GTMFとコラボした黒川塾を大阪で開催することで、GTMFとの黒川塾の共催は今回で3回目を迎える。

関西圏で徐々に黒川塾のイベント内容が知られる機会も増え、登壇いただけるゲストも素晴らしい方々ばかりで主催する側としてはありがたい限りである(※)。

「THE VR ROOM KYOTO」の背景

さて、今回のもうひとつの取材がこちらである。今年の5月に開業した「THE VR ROOM KYOTO」というカフェをベースにしたVR体験スペースが、それにあたる。

こちらを運営するのは京都を始め関西圏では中堅規模のゲーム開発会社で、運営するのは株式会社クラウドクリエイティブスタジオ(以下:クラウド社)。今回は代表取締役の秦泉寺(じんせんじ)章夫氏にお話を伺った。

代表取締役の秦泉寺氏はSNKプレイモアを経てクラウド社を起業、主にサイバーコネクトツー社が手掛けるIP系ゲームを中心に開発を進めてきており、近年はオンライン向けコンテンツのサ-バー部分の開発、P2Pやリアルタイム通信処理を得意としている。創業して8年目のチャレンジとして今回のVRカフェ店舗開業となったという。

京都には任天堂からインディーズまで数多くの開発会社が存在するが、クラウド社は関西圏でも実力を有する開発会社と言っていいだろう。しかし、昨今の開発傾向のなかで、自社ならではのコンテンツ開発や他社に先んじてVR系コンテンツを開発することを社として取り組んでおり、今回の「THE VR ROOM KYOTO」の開業のきっかけだと言う。

2年前の河原町でもらったチラシ・・・

私は今からちょうど2年前(2016年)の今頃、京都でのこと、日も沈みかけたころ、京阪本線の祇園四条駅から四条大橋を渡って河原町方面に向かって歩いていたとき、橋のたもとで通行人に「VR体験してみませんか?」というチラシを配っているのを見かけた。

(『京都でVR?VR体験?』)と思いながら男性に近づき、そのチラシをもらった。

そのチラシはVRコンテンツが無料で体験できるというものだった。

しかし、その時はあまり十分な時間もなく、(『まあ、こりゃあ珍しいことやっているな・・・』)と思いながら、スルーしてしまったが、実は今回京都に来るにあたって、興味をもっていたのが、あの「VR体験」は何だったのだろうか?というものだった。

その話を秦泉寺社長にすると、それは「私たちが撒いていたチラシです」と苦笑した。

写真)株式会社クラウドクリエイティブスタジオ 代表取締役 秦泉寺 章夫氏

あの当時は、ロケテストの段階で現在のような店舗ベースではなかったが、VRコンテンツへの可能性を早い段階から感じており、より身近にVRを感じてもらうべく今回のカフェ開業に至ったという。ちなみに現在もそのチラシ撒きは定期的に行っており、クチコミ同様に来店促進に役立っているという。

カジュアルかつ草の根的なVR普及活動の一環

 今回の店舗という形態に拘った背景としてはVRコンテンツ開発や制作おけるBtoB的な宣伝の意味合いが強いという。同時に今までVRを体験したことのない顧客の取り込みを自然なかたちでおこなうことを目的にしているという。

また、クラウド社が独自に開発した、ゲーム特化型VRプラットフォーム「V-REVOLUTION」というVRポータルを推進するために今回の店舗をその延長線上に捉えているという。

コーヒー1杯でVR体験

今回開業した「THE VR ROOM KYOTO」は一見するとおしゃれなコンクリート打ちっぱなし系のカフェで、装飾もシンプルでVRらしさは全くない。ただ、入店の際にカフェメニューをオーダーされるお客様へ「ドリンクのオーダーでVR体験ができますが、体験して行かれますか?」と尋ねるシステムになっている。

今のところ、9割くらいのお客様が「面白そうだからやってみたい」ということで体験するとのことだが、すでに5月の開業時からリピーター客もいるとのことで毎日体験に来るお客様もいると言う。

客層は、男女比は4:6で女性のお客様のほうが積極的に体験すると言う。

店舗の運営コンセプトは、VRをやったことのない人、VRを知らない人にこそ体験してほしいという場所にしたかったという。いわゆる一般的なVR推しの店にはしたくなかったという・・・。一般的にゲームセンターに行かない人や、おしゃれなカフェに来た人に「VRは何か?」というキッカケになれば良いと言う。

在、体験できるコンテンツはクラウド社開発の6タイトル、STEAMライセンスタイトル6タイトルがある。私も「脱出大作戦!〜豪華客船から宝石を奪え!〜」というコンテンツを体験したが、決められた時間内では20%しか達成ができなかった。おそらく、時間が許せば、アイスコーヒーをもう一杯オーダーして脱出を達成したかったと思った。

秦泉寺社長曰く「VRで関西を言えばクラウド社と言ってもらえるようになればよいと思っています」とのこと、京都に行くことがあればVR好きのみならずコーヒー1杯の小休止のおりにでも立ち寄っていただきたいスポットである。

写真)筆者(左)と

 

※次回GTMF2018 東京開催 https://gtmf.jp/2018/tokyo/index.html
7月12日 黒川塾61開催予定 詳細別途

<店舗概要>
「THE VR ROOM KYOTO」
京都府京都市中京区河原町通三条下る三丁目東入南車屋町280番地 キャニオンテラス1F
URL:http://vr-kyoto.com

運営会社:株式会社クラウドクリエイティブスタジオ
http://cloud-creative-studios.com

筆者: 黒川文雄(くろかわふみお)

1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDE、にてゲームソフトビジネス、デックスエンタテインメント、NHN Japanにてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンタテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。ジャーナリスト、コラム執筆家、アドバイザー・顧問。
『ANA747 FOREVER』『ATARI GAME OVER』(映像作品)『アルテイル』『円環のパンデミカ』他コンテンツプロデュース作多数。
黒川メディアコンテンツ研究所・所長。コンテンツとエンタテインメントを研究する黒川塾を主宰。現在、注目するカテゴリーはVR、AR、MR、AIなど多岐に渡る。