05.08
【World MR News】米海軍のAR搭載砲撃システムとは
まるでトニー・スタークのアイアンマン・アーマーやミレニアムファルコンの砲撃台のように見えるこの写真に騙されてはいけない。この米海軍の最新ガジェットは、米軍艦と敵との対峙に革命を起こす可能性がある。そして、それはより早い段階で実現するかもしれない。米国艦隊司令部は、6月の海軍のトライデント・ウォリアー演習における、GunnARとして知られている実験的な新しい統合砲兵システムの試験計画を立てている。
米海軍は何年間も複雑なヘッドディスプレイの実験を行ってきた。GunnARは海軍のコマンド・アンド・コントロール・アーキテクチャーの飛躍を示すもので、船舶内の砲撃連絡官からの情報が、直接敵と戦っている砲兵に、分析しやすい形で情報がダイレクトに伝わるようになる。
「砲撃手たちが船上で実際に砲撃をしている時というのは、騒音や忙しさでかなり混乱した状況に置かれています」と、Battlespace Exploitation of Mixed Reality LabのディレクターHeidi Buck氏は話している。また、ミサイル駆逐艦の訓練官であるMcClenning氏も、「機関銃の騒音がある中、何十年も前のラジオやサウンド搭載電話機を使っていたのでは、情報共有や発射の許可連絡は非常に難しいのです」と話している。
こういった状況を改善するため、2016年3月に10万ドルのプロトタイプ資金を受け始まった計画は、着々と成果を上げているようだ。GunnARはカリフォルニア州ロサンゼルスに本拠を置くAR技術会社DAQRIによって製造されたヘルメット上に、ARオーバーレイが配置されるというもの。これにより、これまで騒音下で耳にしか頼らざるを得なかった連絡共有、発射命令などが、砲撃手の視覚上へと直接伝えられることになるのだ。SSCパシフィック(米海軍の組織機関のひとつ)とDAQRIは、この技術のさらなる探求と開発を目的とした共同研究開発契約を締結した。
このGunnARシステムは、昨年12月と今年2月に情報の公開はされているが、いよいよ6月に迫った海軍の実践演習でのテストでどのような成果をもたらすのかが非常に楽しみだ。
画像:U.S. Navy photo by Alan Antczak/Released
参照記事:
http://taskandpurpose.com/navy-augmented-reality-gunner-helmet/