12.10
【World MR News】全国13ヵ所から集まった最優秀チームの頂点を決める「VTuberハッカソン全国ツアー2018 プレミア大会」が開催
パノラプロとSVVR Japanは、12月1日と2日の2日間、東京・六本木のDMM.com本社で、「VTuberハッカソン全国ツアー2018 プレミア大会」を開催した。本稿では、その模様をお届けする。
今年の8月より全国13ヵ所で開催されてきた、「VTuberハッカソン全国ツアー2018」。福岡、大阪、島根、岡山、神奈川、沖縄、熊本、千葉、北海道、デジタルコンテンツExpo(以下DCEXPO)、長野、石川・福井、広島と、まさに日本全国で行われてきたこのハッカソンだが、各地で最優秀賞を獲得したチームが東京に集結。2日間に渡るハッカソンで、それぞれがオリジナルのVTuber動画を完成させていった。
2日目は、朝10から夕方17時まで開発が行われ、17時15分より各チーム持ち時間10分で発表が行われた。今回、各チームの発表を見て感じたことは、ひと言で「VTuberハッカソン」といっても扱っている分野が多岐にわたり、方向性もかなり異なるということだ。
例えば純粋にVTuberのキャラクター性を追求しているチームもあれば、ひたすらネタに走るチームいる。あるいは、システムを含めて作り込んでいたチームや、ビジネスモデルまでも企画に盛り込んでいるチームなどもあった。
もちろんどれが正しくてどれが間違っているというわけではないのだが、さすが各地で最優秀賞を獲得してきたチームばかりが集まったという感じで、いずれも感心させられる企画が多かったのはたしかだ。
■成果発表
最優秀賞はDEXPO代表のアンリミテッド!
ひと通り成果発表が終わった後、懇親会を間に挟んで、いよいよ各賞を決める審査結果の発表が行われた。審査員は、ツクモのVTuber推進担当の駒形一憲氏とクラスター株式会社代表取締役社長の加藤直人氏、ティアック株式会社執行役員の吉野伸也氏とNoitom、そして本イベントの主催者である株式会社パノラプロ代表取締役社長の広田稔氏と、柄澤勇弥氏。
最優秀賞に選ばれるのは1作品のみで、完成度、VTuber度、熱狂度の3つの観点から優れた作品が選出される。その結果、プレミア大会の最優秀賞に選ばれたのは、DEXPO代表のアンリミテッドだった。
■最優秀賞
チーム名:アンリミテッド(DEXPO代表)
作品名:NEO バーチャルメイド派遣システム『ANRI』
賞品:10万円
アンリミテッドチームのコンセプトは、「様々な人にあったバーチャルメイドを派遣するといったものだ。動画そのものクォリティも高かったが、プレゼン部分も相当に凝っており、会場からは感心する声もちらほら聞こえていた。
ちなみに、今回の最優秀賞を決定するにあたり様々な議論が交わされたようだが、「動画のクォリティが高い」「音が良かった」「ビジネスの観点もあるところが素晴らしい」という意見が審査員からは出ていた。
■クラスター賞
チーム名:Cyrium(大阪代表)
作品名:シャルロッテお笑いLive!CyChat編
賞品:クラスターグッズ6人分、Tシャツ、ステッカー、チロルチョコとclusterで活躍のチャンス
クラスター賞に選ばれたのは、大阪代表のCyriumだ。作品はお笑いライブを3人のVTuberたちを行うというものだったが、プレゼンではウェブ上でアバターをアップロードするだけで、VR空間上でライブなどの活動が出来る『Cychat』というシステムの紹介も行われていた。
単純に審査員のツボに入ったという理由のほか、使いこなすのが難しいcluster対応モデルにチャレンジしたことも、受賞の理由に挙げられていた。
■ツクモ/ASK賞
チーム名:Freeee(島根代表)
作品名:VTuberハッカソンを抜け出して俳句の吟行に出かけて見た!!
賞品:ツクモ オリジナル ハツネミクマウスとキーボード
ツクモ/ASK賞に選ばれたのは、島根代表のFreeeeだ。バ美肉というVTuberになりたいという動機もあったのか、本編の動画だけではなくプレゼン部分もVTuberによる動画で説明を行っていた同チーム。俳句をテーマにしているなど動画としての面白さもあり、審査員から評価されていた。
■TASCAM バ美ボ!賞
チーム名:ブレンジャー(沖縄代表)
作品名:ヴァーチャル3分クッキング!
賞品:MiNiSTUDIO US-32Wとヘッドホン
日本の南、沖縄代表としてやってきたブレンジャーが、TASCAM バ美ボ!賞に選ばれた。今回の作品は、3DCGソフトの『Blender』を使った技術系VTuberというコンセプトになっており、視聴者とともにソフトの使い方を学んでいくといった内容になっていた。ただのHow toモノではなくギャグも盛り込まれており、いろんなタイプの作品を見てみたくなる仕上がりであった。
■noitom賞
チーム名:アーバンライフ白石(北海道代表)
作品名:わくわくハッピートリップ
賞品:Perception Neuron Pro×1セット、Noitom Hi-5 Glove×1セット、Facerigライセンス×6、Facerigカメラキット(首掛けホルダ+無線ウェブカメラなど)
各チームが準備不足の中、トップバッターとしてプレゼンを行った北海道代表のアーバンライフ白石チームが、noitom賞に選ばれた。プレゼンの中で、『Neuron』を使っている様子を盛り込んでいたほか、実験的な使い方をしていたところから、同チームが選ばれていた。
今回の大会でもわかったように、VTuberは見る側だけではなく作り手側の熱量もまだまだ高い。ハッカソン自体が行われていない地域もあるため、まだまだ多くの才能が眠っている可能性も高い。2018年の「ネット流行語大賞」の金賞にも選ばれた「VTuber」だが、このブームはもうしばらく続いていきそうだ。
Photo&Words 高島おしゃむ
コンピュータホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。
雑紙の執筆や、ドリームキャスト用のポータルサイト「イサオ マガジン トゥデイ」の
企画・運用等に携わる。
その後、ドワンゴでモバイルサイトの企画・運営等を経て、2014年より再びフリーで活動中。