11.12
【World MR News】中・高校生がPlayStation VR用のオリジナル写真展を作るワークショップ『MEMOREUM TOKYO』が初開催
ソニー・インタラクティブエンタテインメントとライフイズテックは、日本最大のEdTech 国際カンファレンス「Edvation × Summit 2018」内で、中学生・高校生向けのワークショップ『MEMOREUM TOKYO(メモリアム・トーキョー)』を、11月3日(土)と11月4日(日) の2日間開催した。
このワークショップは、PlayStation VR用のオリジナルコンテンツを作ることで、中学生や高校生のクリエイティブ力や表現力を培うことを目的にしたものだ。今回は6つのチームに分かれて、それぞれのグループごとに分かれて与えられたテーマに対して、共に考えアイデアを出し合いながら体験していくというスタイルで進められていった。
ちなみに今回取材したのは初日で、チームごとに自己紹介から始まりグループワークとPlayStation VRの扱い方やソフトの使い方に慣れるという流れでプログラムが進められていき、翌日は朝10時半から実際に開発がスタート。お昼を挟んで夕方まで開発が行われ、その後発表会と実際に作られたコンテンツの体験会が行われるという流れになっていた。
チームの結束力を生む「パスタタワー対決」
一通り自己紹介が終わったところで、最初のアクティビティとして行われたのが、「パスタタワー対決」だ。これは、制限時間14分以内にグループで力を合わせて、最も高いタワーを作り上げるというものだ。
20本のパスタとテープ90cmを使用してタワーを制作。その一番高い位置にマシュマロを乗せ、地面からマシュマロまでの高さが一番高かったチームが勝利するというもの。ルールとして、パスタやテープは折ったり切ったりすることは自由だが、地面とタワーをテープで貼り付けるということはNGとなっていた。
いざアクティビティがスタートすると、頭を悩ましなかなか行動に出せないチームや、早くも形になり始めたチーム、パスタを細切りにしはじめるチームなど、十人十色のユニークなアイデアが生まれていた。
結果、参加6チームのうち半数の3チームは残念ながらまともにタワーを完成させることができなかった。しかし、中には大人も驚くほど高いタワーを完成させるチームも登場していた。なんでもこうしたタワーを完成させるのに得意なのは、子供たちであるという。その反対に苦手なのが、会社の経営者たちなのだとか。
本イベントが初公開の『MEMOREUM』を使いオリジナルコンテンツを作成
続いて今回のメインとも言える、実際にPlayStation VR用のコンテンツの作成が行えるソフト『MEMOREUM』を使ったワークショップが行われた。この『MEMOREUM』は、プログラミング教育を得意としたライブイズテックが手がけたソフトウェアだ。
「MEMORY(メモリー)」と「MUSEUM(ミュージアム)」を掛け合わせた造語から名付けられたもので、PlayStation VRとこの『MEMOREUM』を使ってVR内の3D空間に写真やオブジェクトを自由に配置しながら、記憶や思い出といった「メモリー」を表現し、自分だけの美術館(ミュージアム)を簡単に作ることができるのが特徴である。
本ソフトウェアは市販などが行われる予定はなく、このワークショップのために作られたものである。そのため今回が初めて世の中で披露されたことになるのだが、それでも子供たちはあっという間に使い方をマスターしていき、それぞれの作品を作り上げていた。
ちなみに初、日は使い方を覚えるということで、あらかじめ用意された素材で作品が作られていったが、翌日は自分たちが用意した写真を元に作品を完成させていった。
子供たちならではの素直な感想も!?
『MEMOREUM』を使って自分だけの美術館を作った子供たち。早速その作った作品を、PlayStation VRを使って鑑賞することに。この日初めてVRを体験するという人も多かったようで、その没入感に驚いた表情やあちらこちらを見渡して様々な声を上げる子供たちなど、多様なリアクションを見せていた。
中でも印象的だったのは、今回のワークショップで真っ先にPlayStation VRを体験した参加者だ。「思ったよりも解像度が高くないな~」や「ジャギーが見える」など、もはや大人顔負け・・・・・・というより、大人ではなかなか思っても口に出しにくい子供ならではの素直な意見を語っていた。
チームの部屋を作って感情を表現する「ブロックルーム」
初日のプログラムはこれで終わりかな? と思ったところで、なんとこの日2度目のアクティビティが始まった。こちらは「ブロックルーム」と呼ばれるもので、いわゆるレゴブロックを使ってチームそれぞれの部屋を限られたスペースに作っていくというもの。
その中に表現する感情というお題も含まれているのだが、こちらはくじ引きでどのチームがどの感情を表現するか決められた。
まずはチーム内で、どんな表現をするかメモを使ったアイデア出しが行われた。その後、似たようなアイデアをひとまとめにするなど、いわゆるブレストなどに使われるKJ法でアイデアの集約が行われていった。
ここでは、似たアイデアをまとめながらベースとなる色や形を決定していき、何を創るかといったことや役割分担が決められていた。
大人でも十分するほどの、充実した内容のワークショップとなっていたが、今回は『MEMOREUM TOKYO』ということで、今後各地でも開催される可能性がある。関係社にお話を伺ったところ具体的な予定はまだ決まっていないそうだが、次回お近くで開催されるときは、ぜひ多くの子供たちに参加してもらいたい。
Photo&Words 高島おしゃむ
コンピュータホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。
雑紙の執筆や、ドリームキャスト用のポータルサイト「イサオ マガジン トゥデイ」の
企画・運用等に携わる。
その後、ドワンゴでモバイルサイトの企画・運営等を経て、2014年より再びフリーで活動中。