2018
10.30

【World MR News】日々の技術を披露する関電工の社内イベント「技術・技能競技大会」をレポート

World MR News

関電工は、10月17日に茨城県牛久市にある人材育成センターで「平成30年度 技術・技能競技大会」を開催した。こちらでは、その模様をレポートする。

今回で13回目となる、この技術・技能競技大会。昨年は過去最大の3625名の人が訪れたということもあり、今回も社内外を問わず多くの人々が会場を埋め尽くしていたのが印象的だった。

朝9時半から開会式が始まり、10時から各イベントがスタートする。中でもこの大会のメインともいえるのが、4つの部門で行われる「技能競技」だ。

内線部門では、動力盤制御回路の故障原因を発見し、修正の指示をしながら配管配線作業を行っていく。情報通信部門では、引込み作業や受信設備のリニューアルを行い、4K放送が映るようになるまでの速さが競われた。

架空配電部門では、無停電工法としてのPD線中間切断接続による変圧器取替作業において、安全性と正確性が競われた。また、地中配電部門では、6600V CVTケーブル60mm²の屋内終端接続作業と常温収縮型直線接続作業において、安全性と品質について競われた。

競技大会と同時に行われていたのが、「作業実演」だ。こちらは、内線部門、空調管工部門、情報通信部門、架空送電部門、地中配電分、戦略事業部門の6部門に分かれて実施。それぞれ初めて訪れる人にもわかりやすいように、各作業の内容を紹介しながら実演が行われていた。

この技術・技能競技大会では、普段めったに見ることのできないプロの作業が間近で見られるというだけではなく、実際に体験出来るコーナーも用意されていた。たとえば内線部門では、ベンダーを使用して金属配管を曲げてみるという体験を実施。会場に訪れていた学生たちも参加し、その難しさを実感していたようだった。

情報通信部門では、LANケーブルコネクタの作成と光ファイバ接続作業の体験を実施。こちらも学生たちが参加して、その技術を学んでいた。また安全部門では、VRを活用して墜落危険と感電危険の体験が行えたほか、交通安全運転シミュレーションを使用した危険予測の体験も行われていた。

さらには、今回の会場となった関電工の人材育成センターの建物内では、様々な展示コーナーも用意されていた。こちらは、大きく分けて「生産性向上・安全・省力化技術」「お客様のニーズに応える技術」「事業領域拡大を支える技術」「各種関連活動の紹介」という感じで、30種類もの展示が行われていた。

こうした競技や体験、展示に加えて、芝浦工業大学 工学部 電子工学科 教授の加納慎一郎氏を招いて、「脳と暮らしをつなぐ~生体信号から読み解く身体と心~」をテーマにした講演会も実施されていた。

この講演では、神経工学の概要から、生体信号の由来と計測法、生体信号から読み取れるもの紹介が行われていた。また、研究事例として「自分を見る」アイウェア:JINS MEMEの開発や、Brain-computer interface(BCI)の研究事例も紹介。普段あまり知ることの無い内容が多く、会場を訪れていた多く人たちが感心していたようだった。

 

Photo&Words 高島おしゃむ
コンピュータホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。
雑紙の執筆や、ドリームキャスト用のポータルサイト「イサオ マガジン トゥデイ」の
企画・運用等に携わる。
その後、ドワンゴでモバイルサイトの企画・運営等を経て、2014年より再びフリーで活動中。