2017
04.21

【World MR News】Facebook CEOが語る、拡張現実における今年の取組

World MR News

4月18日に米カリフォルニア州サンノゼで開催されたFacebookの年次開発者会議「F8」。世界中の多数のメディアでこの様子が報じられており、注目が集まる中で、同社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏が、拡張現実(AR)における自社の取組について発表した。

冒頭にザッカーバーグ氏は、「過去数十年の間、地域やコミュニティグループへの参加が廃れてしまっていた。しかしこの10年の間、Facebooは友人や家族とつながることにフォーカスをしてきた。そして今後はそれを基盤とした上で、コミュニティの構築に焦点をあてて行く」と述べた。

その上で、それを実現するための最初のプラットフォームは、スマホのカメラを利用してのAR技術が最も有効であるとしている。

ARには「Information(情報/データ)」、「Digital Object(デジタルオブジェクト/3Dエフェクト)」、Enhancements(「機能強化/拡大」)、この3つの要素が必要だと語り、それを合わせ、スマートフォンに搭載されているカメラやアプリを通じての処理を行えば、既にARの世界を人々は楽しむことができる。

さらにAR用カメラの特徴として、「Basic Effect」、「Precise Location」、「3D Effects」、「Object Recognition」の4つについて解説。スマホのカメラを利用して、例えばリビングのテーブル上をの画面を通して見ると、ロボットが現れてゲームができるといった技術や、自分の部屋の中を水浸しにしてみたりと、自由に遊べるようなアプリなどを会場で披露した。

この背景には、ゴーグルやメガネタイプのヘッドマウントの機器の開発には、まだ改良の余地があるため、それを待ち過ぎずに今実現可能な既存の技術と馴染あるデバイスを用いて「AR」という概念自体を、Facebookが得意とするコミュニティ連携を用い、広く人々に浸透させようとしていることがうかがえる。

そして最後に今回紹介されたアプリ機能の延長線上には、より進化したデバイスも台頭し、確実にVR/MR/ARという技術が浸透する近将来があること、ARプラットフォームの推進には自信を持っていることをザッカーバーグ氏は述べている。

2017「F8」マーク・ザッカーバーグ氏のプレゼンテーション映像