08.02
【World MR News】コミコンで、米人気ドラマ『Legion』のMR体験
コミック、TV、映画、ゲームコンテンツなどの祭典として毎年夏に米サンディエゴで開催されるコミコン。このサンディエゴ・コミコンは、もともとはオタクの祭典として小規模に始まったものだったが、近年ではハリウッド大作やメジャー・コンテンツの新作の発表や、大スターたちのパネルディスカッションなどの場となり、全米のみならず世界中のエンタメファンたちが集う場となった。
もちろんバーチャルリアリティの世界も多くのファンたちによってこの場で成長を遂げて来た。
今年は、HoloLensを使用してのアメリカの人気ドラマ『Legion』のMR体験ができるイベントが開催されると発表になっている。本作はマーベル大人気作『X-MEN』から生まれた初のTVシリーズで、日本でも今年から放送されている。
■関連動画「レギオン」予告編
今回のMR体験は、VRプロダクションカンパニー「Here Be Dragons」のジャスティン・デントン氏が監督しており、ドラマのファースト・シーズンからセカンド・シーズンの最初がチラ見できるような、およそ10分程のものになっているという。ダン・スティーブンス演じる主人公のデヴィッドは、幼い頃から続く幻覚や幻聴に悩まされ、統合失調症患者だと思われていたが、実は超強力な突然変異体であることに気付いていくというキャラクター。そのデヴィッドの目の中に、視聴者が入るという、HoloLensとリアルな俳優とを活用するという試みだ。
デントン氏は、「MRのアプローチは、このドラマの主人公デヴィッドの生活を再現しようとする際に、とても重要でした。“VRでは出来ることと出来ないこと”がはっきりしていますが、拡張する現実を使う、つまり現実の景観を生かし、リアルな俳優や目的に合わせて設置されたインスタレーションスペースを使うことによって、視聴者は別世界へと行くことが出来るのです。」と語っている。
また、デントン氏は、昨年、自閉症気味の天才ハッカーを主人公にした人気ドラマのVRプログラム「Mr. Robot VR」をコミコンで展示したチームの一員でもある。
■関連動画「Mr. Robot: Virtual Reality Experience – 360°」
デントン氏は、「大手制作スタジオやTV局、配給会社等が、新しい技術を使ってより新しいエンターテイメントを提供いたいと熱心になることと並行し、コミコンでの観客の注目が、一種のクリエイティブ競争の方へと向けられるようになってきました。」とも話している。
こういった動きは、ただのブランド知名度アップのためのものに過ぎないと思われることもあるが、FX社(『Legion』の放送局)の統合プロモーションのシニア・ヴァイス・プレジデントであるKenya Hardaway氏は、番組本編制作側ともシナリオ面でもとても協力的に作業ができたと語っており、作品のセカンド・シーズンに向けて、作品のファンたち、製作側にとって、この取り組みが有意義なものである自信をうかがわせている。
サンディエゴ・コミコンは、現地時間7月19日から23日までの開催。(「The Legion Mixed Reality Experience」は17日よりスタート。)
参照元:https://www.theverge.com/2017/7/10/15946948/marvel-legion-fx-microsoft-hololens-experience-sdcc-2017