06.22
【World MR News】MRで患者の情報をよりわかりやすく
この数年でVR/AR/MRによる世界の医療技術の進歩は着実に進んでいる。
英バーミンガムでも患者の臓器や骨、身体部分の仮想レプリカを見たり、相互作用したりすることを可能にするMRシステムが開発されているようだ。
バーミンガム市立大学のデジタルメディアテクノロジーラボ(DMT Lab)の研究者たちは、フリーハンドの動きを使って仮想モデルや患者のデータと対話できるようにするシステムを考案している。
このシステムは、使う人(医療従事者)が手の動きやジェスチャーを用いて患者のデータを操作できるので、カスタマイズされた3Dバーチャルモデルと患者の実際の医療記録を使用して、医療処置、ライフスタイルの選択、そして治療の効果を示すことができる。おもにこれらの仕組みは、外科手術の領域や治療後のケア、またはタバコなどの有害な習慣性物質によって引き起こされる損傷を視覚的に示すために使用される。
このテクノロジーは、DMT LabのMRのフリーハンドインタラクションにおける専門知識と組み合わせた動き検出センサーを使用しており、Dr. イアン・ウィリアムズは次のように述べている。「私たちは、医療従事者が本物の患者のデータとやり取りし、手でそれを操作して患者に教え、通達するプラットフォームとして、このシステムを開発しています。これによる本当の利点は、それぞれの患者のためにカスタマイズ可能な仮想モデルを使用し、実際に視覚的に患者に示すことができ、さらに今後のライフスタイルの選択や治療、手術後にどのように変化する可能性があるのかまでを一連で示すことが出来るようになることです。」
将来的にこのシステムは、怪我や病気を再現できるようにアップグレードされ、ライフスタイルの選択や医療処置の変化を患者へ見せることができるようになるのだ。また、外科医にとっても非常に利便性が向上することになる。患者の体の画像と相互作用して、滅菌した環境で手袋を取り外したりする必要なしに、処置中にモデルを観察し操作することができるようになる。
このMRシステムにより、近い将来、医師と患者とで共有できるインタラクティブな環境が当たり前となる可能性は高い。患者の治療とその理解への関与を促進するのに大いに役立つこととなりそうだ。