2019
07.09

【World MR News】小学生が作ったVRゲームに大人たちもびっくり!? 「Nintendo Labo Hackathon 2019 ~VRゲームを開発せよ~ 」が開催

World MR News

小学生向けプログラミング教育事業を運営するCA Tech Kidsは、任天堂協力のもと『Nintendo Labo: VR Kit(ニンテンドー ラボ VRキット)』を使用したハッカソン「Nintendo Labo Hackathon 2019 ~VRゲームを開発せよ~ 」を、6月29日と30日の2日間、Abema Towersで開催した。

今回行われたイベントは、CA Tech Kidsが運営するプログラミング教室「Tech Kids School」の生徒限定で行われた、スピンオフ的なイベントだ。昨年開催された「Nintendo Labo Hackathon」に続き、今回は4月に発売された『Nintendo Labo: VR Kit』を使用し、参加した子供たちひとりひとりが完全オリジナルのVRゲームを作り、その発表と展示を行うという内容になっている。

ご存じの方も多いと思うが、この『Nintendo Labo: VR Kit』は、キットに入っている段ボールを組み立てて様々なVRゲームが遊べるよう内容になっている。今回はその中から「わかる」モードを使用してオリジナルのVRゲーム開発が行われた。

『Nintendo Labo』を使ったハッカソンというと、段ボールを組み立てていくことから始まると思いきや、今回はその部分は省略されており、『Nintendo Labo: VR Kit』を使って何が出来るのかの体験からスタートしている。

初日の6月29日は、Nintendo Labo: VR Kit』の体験とオリジナル作品の考案と設計書を作り、開発を開始。2日目の30日は、引き続き開発が行われ、午後よりプレゼンテーションの準備と発表会、体験会という流れでハッカソンが行われている。

▲作る方に夢中になってしまうため、今回はあらかじめ完成したものが使われている。

▲30日の13時からは、発表会に向けての調整や発表内の確認などが入念に行われていた。

今回参加したのは、Tech Kids Schoolの生徒から抽選で選ばれた19名の小学4年生から6年生の子供たちだ。そうしたこともあってか、元々プログラミングに対するリテラシーが高い子供たちばかりで、すぐに使い方もマスターしていたようだ。A~Eのテーブルに分かれて作業が行われていたが、今回はその順番にひとりひとりが2分間という持ち時間で、自分の作品を紹介していくというスタイルで発表会が行われていった。

■作品名「UFOで撃ち落とせ!!」しゅん君

トップバッターで登場したのは しゅん君で、作品名は「UFOで撃ち落とせ!!」だ。これは、紫色のUFOを操りながら弾を撃ち、相手を倒していくといった内容のゲームとなっている。XボタンでUFOを上に、Bボタンで下に、Rスティックで前後左右に動かすことができる。押し込みで弾を1発、Rボタンで一気に10発発射することができる。

プログラムで工夫した点は、15秒後にカメラがワープするところだという。これは実際にはワープするわけではなく、「視点を変えればいい」と教えてもらい、納得したそうだ。また、UFOから弾を撃つのと、定数を使って人を動かしたところ、文字をゲーム上に出すところが苦労したポイントだったそうだ。

■作品名「超サッカー」 めあさん

めあさんの作品名は「超サッカー」だ。こちらは、人を操作してドリブルでボールをゴールに入れるという内容の作品である。Lスティックで移動。Bボタンを押すことで、ジャンプをすることができる。

工夫した点は、ゴールを決めたときにエフェクトを出すところと何度もリトライできるようにしたところ、ゲーム開始に3カウントが出るようにしたところだそうだ。

▲ゲーム自体は難易度が高いため、どれだけ集中出来るかがクリアへの道だと作者のめあさん。

プログラムで大変だったところは、最初の3カウント後にBGMを鳴らすようにしたところだという。また、改良したいポイントとしては、最初の3カウントが終わるまで人が動けないようにしたいとのこと。

■作品名「360度射的ゲーム」 しんや君

しんや君の作品は「360度射的ゲーム」だ。こちらはAボタンで弾を撃っていき、敵を倒していくゲームとなっている。工夫したポイントは敵がジャンプするところで、それによりプレイヤーの攻撃をかわしていく。また、Aボタンで時を止めるという機能も盛り込んでいる。これにより、動いている敵に弾を当てやすくすることができるのだ。さらにXボタンを押すことで重力を操り、敵がジャンプした後の落下速度をコントロールすることができるそうだ。

プログラムで蜘蛛の巣のようになっていることころには、センサーを使用している。

■作品名「UFOをたおせゲーム」れいと君

れいと君の作品は「UFOをたおせゲーム」だ。次々に現れる敵を倒していくといった内容の作品である。スティックでオレンジリオのポイントの長さを変え、Aボタンで弾を撃っていく。Bボタンで時間を止めることができ、飛んでいる敵に弾を当てやすくすることもできる。

UFOの破壊は、「こわれたセンサー」で感知するようにプログラミングされている。センサーが感知したときに、エフェクトが出る。UFOを動かすのは難しくて出来なかったそうだが、時間があれば挑戦したいという。

■作品名「月の防衛隊」ぜん君

Bチームのトップバッターは、 ぜん君だ。今回彼が作った作品は「月の防衛隊」である。こちらは、ボールでエイリアンを倒していくゲームだ。矢印ボタンで操作し、Yボタンで銃を発射。Xでジャンプし、Aボタンでスローにできる。敵が撃った弾に当たるとゲームオーバー。すべての敵を倒すとクリアとなる。

プログラムで苦労した点は、クリアしたときに音が鳴ったり爆発したりするなど、様々な仕掛けを用意したところだったという。

■作品名「ゴールに入れろ!ぼっちサッカー」くおん君

くおん君の作品は、「ゴールに入れろ!ぼっちサッカー」だ。ボールをゴールに入れて点数を競うゲームで、ボールをマットの近くに蹴ると音楽が鳴り点数が増える。手前にあるブロックは、左から2番目が自分で一番右が相手の点数を表している。一番左は秒数を表しており、45秒になるとゲームは終了となる。

また、オウンゴールをしてしまうとブーイングが起き、会場が爆発するというシュールな設定になっている。

プログラムで工夫した点は、点を入れたときにボールや人を初期の位置に戻すところだそうだ。

■作品名「UFOバトル」まさむね君

まさむね君が作った作品は「UFOバトル」だ。これは、敵を倒してゴールを目指していくといった内容の作品である。ZRボタンで弾を10発発射し、敵を倒すことができる。無事ゴールすると、花火が表示されてゲームクリアとなる。しかし、センサーに触れないとゲームクリアにならないようになっている。

工夫したポイントとしては、敵を倒したときに、爆発を出したり弾を撃ったりするほか、ステージを迷路のようにしたところだそうだ。

■作品名「スーパーシューティングゲーム」 すぐる君

すぐる君の作品は、「スーパーシューティングゲーム」だ。こちらはボールで敵を倒していくゲームだ。Aボタンでボールを発射し、リモコンで向いた方向に撃つことができる。ゲームの最後には花火を打ち上げることもできる。

プログラムで工夫したところは、「さわったセンサー」を使い、他に当たったら壊れるようにしたところだ。大変だったポイントは、敵を前後左右上などに敵を作ったところだそうだ。

■作品名「はこシューティングゲーム」たいが君

Cチームのトップバッターとして登場したのは、 たいが君だ。彼が作った作品は「はこシューティングゲーム」というタイトルである。こちらは、箱の下にあるリンゴをボールで崩して箱を壊していくといった内容の作品である。箱は全部で15個あり、それをすべて壊すと次のステージへと進んでいく。最後に15個箱を壊すとクリアとなる。UFOや人間が邪魔をしてくる中、一気に箱を壊すことができると気持ちがいいそうだ。

プログラムで苦労した点は、箱が壊れた数を数える部分とボールを投げる仕組みを作る部分だったそうだ。また、工夫した点では、箱を全部壊した後のクリア時の仕掛けで、花火やクラッカー、シャボン玉を入れて賑やかにしているとのこと。

■作品名「マグロカート」トム君

トム君の作品は「マグロカート」だ。こちらはマグロを操り、障害物を避けながらゴールを目指すといった内容のゲームである。上から落ちてくるボールに当たってしまうと、リトライになる。コースがジグザクしており、視点を合わせるのが難しい。しかし、慣れてくると音が気持ちよく爽快感があるのも特徴だ。クリアすると花火が打ち上がるといった仕掛けも用意されている。

ゴール前のピンクの箱はタイマーになっている。また、ランダムでものを大きくしたり伸ばしたりすることで、コースの難易度を調整しているそうだ。

■作品名「ぼうそう!鉄球カー」 はやと君

はやと君の作品は「ぼうそう!鉄球カー」だ。鉄球が後ろに付いた車を走らせて、様々なものを壊していくといった内容のゲームとなっている。Aボタンでアクセル、Bボタンでブレーキ、Lスティックでハンドルの操作が行える。

鉄球の影響で車が引っぱられるなど、上手く操作するには慣れが必要だ。ゲームはすべてのものを破壊するとクリアとなり、壁に当たってしまうとゲームオーバーになってしまう。

プログラム的には、すべてのものを破壊したときに「おめでとう」の文字が出るようにしている。壊したものの数をカウントし、連結の仕組みを使ってカウントが一定数になると固定したオブジェクトとの連結が切れ、落ちてくるようになっている。

■作品名「人VS人」 しゅうた君

しゅうた君の作品は「人VS人」だ。このゲームは、人と人が戦うという内容の作品となっている。左右のコントローラーをそれぞれ分けて使用し、移動しながらパンチやボールを発射して、相手に攻撃を加えることができる。相手を3回攻撃することに成功すると、倒すことができる。

開発はすべて大変だったそうだが、中でもコントローラーはふたつに分かれてプレイするため、ボタンの割り振りが大変だったそうだ。また、3回攻撃を受けるとやられるようにするところも苦労したポイントだったとのこと。

■作品名「オニごっこ」 たくと君

続いてはDチームの発表に。トップバッターは、 たくと君の作品「オニごっこ」だ。こちらはタイトルにもあるように、青いキャラクターを操作して、赤いキャラクターから逃げるといった鬼ごっこゲームとなっている。マップ上に置かれたコンテナや円柱などを使い、15秒間逃げ回る。

赤いキャラクターに捕まるとゲームオーバー画面に切り替わる。操作はLスティックで移動、Bでジャンプというシンプルなものになっている。

プログラムで工夫したところは、赤いキャラクターが青いキャラクターを追いかけるところだという。これは位置センサーを使うことで、より良い動きにすることができた。苦労した点としては、クリアやゲームオーバーなどの文字を作るところだそうだ。

■作品名「的当てゲーム」 がいあ君

がいあ君の作品は「~最新記録をたたきだせ!~ 的当てゲーム」だ。ボールを投げて宝箱に当てていき、7点取ったら背後の大きな宝箱にボールを当てることでタイマーが止まるようになっている。クリアしたときにボタンを押すと、クリア画面に切り替わる。手動になっている理由は、時間がなかったからだそうだ。

プログラムで工夫した点は、タイムとスコアがわかるようにしたところだという。

■作品名「ボールよけゲーム」おうじろう君

おうじろう君が作ったゲームは、「ボールよけゲーム」だ。こちらは、キャラクターを操作して60秒間ボールに当たらないように避けまくるといった内容の作品になっている。ボールに当たってしまうと、自動的にやり直しになりJoy-Conが振動する。クリアすると、「クリア」と書かれたブロックが出現する仕組みになっているそうだ。

プログラムで工夫した点は、敵のエイリアンが弾を投げてくる感覚をランダムにするために「ランダム」をふたつ使ってふたつの数字が揃ったときにボールを投げるようにしている。

■作品名「ワープすごろく」 さわさん

続いて、Eチームのトップバッターとして登壇したのはさわさんで、作品名は「ワープすごろく」だ。こちらは、特別なマスに止まったときにワープするすごろくになっている。サイコロの目の数だけ進み、UFOの隣に来たときに、LボタンまたはZLボタンを押してワープすることができる。

プログラムで苦労した点は、1マスごとに音を入れたほか、チアリーダーの動きやサイコロ、マスの機能を作るところだったそうだ。また、進むワープや戻るワープなどを沢山作り、違うルートにいくものなど様々なワープを作ったところも工夫した点とのこと。

■作品名「イレーサーリベンジ」 えりお君

えりお君の作品は、「イレーサーリベンジ」だ。この作品は、鉛筆がいつも字を消すことで頭がすり減っていることに対して、その復習に消しゴムが出かけるという、壮大なストーリーのゲームとなっている。

Joy-Conで操作し、Aボタンでジャンプ、Bボタンで消しかすを出して攻撃することができる。ラスボスの鉛筆を倒すと瞬間移動し、クリア画面になる。

プログラムで工夫した点はふたつあり、ひとつ目は消しゴムの動きの設定だ。消しゴムの当たり判定や攻撃のワイヤーを繋げるところを工夫している。ふたつ目は、ラスボスの鉛筆を倒したときにクリア画面に移動するところだ。クリア画面では鉛筆の頭が削れており、双方頭が削れていることに気が付き、消しゴムは自分が倒してしまったことに後悔するという悲しい物語になっている。

■作品名「女と人魚を倒せ!」 こうた君

こうた君が作ったゲームは、「女と人魚を倒せ!」だ。こちらは、UFOがボールを撃ち魔女と人魚を倒していくという内容の作品である。ZRボタンでUFOがボールを撃つ。それぞれ3回ずつ当てることができると、ゲームクリアとなる。

プログラムで大変だった点は、魔女や人魚がランダムでワープするようにしたところだ。次に大変だったところは、3回ボールやUFOに当たったときに魔女や人魚が消えるようにしたところと、ゲームクリアが出現するころだったそうだ。

■作品名「地獄ロード」れいし君

今回の発表会のトリを務めたのは、 れいし君で、作品名は「地獄ロード」だ。これは、キャラクターをゴールまで導いていくゲームとなっている。Lスティックで移動し、Aボタンでジャンプすることができる。ゾーンをクリアすると、次のステージに移動する。

プログラムで大変だったところはあまりなかったそうだが、工夫した点としてはステージを4つ作成している。中でも一番難易度が高いのが1ステージだそうだ。「実はこのゲームには裏があります」というれいし君。ジョイントを外してXボタンを押すことで、破壊神になることができる。しかも、その状態でないとクリアすることはほぼ不可能なのだそうだ。

ひとりあたりの発表時間はわずかだが、大人のハッカソン顔負けのハキハキとし口調で説明が行われ、その内容にも驚かされるものが多数あった。発表会終了後は、テーブルごとに体験会も行われ、なかなか盛況な様子だった。

■イベント概要

名称:「Nintendo Labo Hackathon ~VRゲームを開発せよ~ 」

主催 :Tech Kids School(テックキッズスクール)

協力 :任天堂

参加者:テッキッズスクール生の希望者から抽選で選ばれた19名(小学4-6年)

費用 :無料

PhotoWords 高島おしゃむ
コンピュータホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。
雑誌の執筆や、ドリームキャスト用のポータルサイト「イサオ マガジン トゥデイ」の
企画・運用等に携わる。
その後、ドワンゴでモバイルサイトの企画・運営等を経て、2014年より再びフリーで活動中。