05.10
【World MR News】VTuberやVR関連も大盛況! 会場来場者16万8248人、ネット来場者666万3612人を動員した巨大ベント「ニコニコ超会議2019」をレポート
「ニコニコのすべて(だいたい)を地上に再現する」をコンセプトに、毎年4月に開催されている動画サービス「niconico」の超巨大イベント「ニコニコ超会議2019」が、4月27日と28日に千葉県・舞浜の幕張メッセで開催された。
今年で8回目となる本イベントだが、話題のVTuberをフィーチャーしひとつのホールをまるごと使用した「VTuber Fes Japan 2019」ブースなどが登場するなど、新しい試みもいろいろと行われていた。そうしたこともあり、今年の会場来場者数は16万8248人と過去最高を記録している。本稿では、同イベントの中からVR関連を中心に目についたものをピックアップしてご紹介していく。
■「VTuber Fes Japan 2019」
「VTuber Fes Japan 2019」エリアに入り、最初に目に入ってきたのはIRIAM(イリアム)の「超バーチャル握手会」だ。こちらでは、さながら本物のアイドル握手会のように、総勢87名のVTuberが時間ごとに5名ずつ登場。VTuberごとに敷居が作られ、バーチャルな握手会が体験できるようになっていた。
本イベントのために独自開発された専用アプリ『iRIAM-Phone』で、超低遅延かつ超インタラクティブに会話が楽しめるようになっていたということもあり、かなりの人が列を作って並んでいた。
YouTubeのチャンネル登録数が10万人を超える、日本初の自治体公認VTuber「茨城ひより」のコーナーも出展されていた。同ブース内では、動画が流されていたほか、オリジナルグッズも販売。さらに、コスプレイヤーのもころすさん(@mokorosu)も登場し、盛り上げていた。
専用ステージの「VTuber Special Stage」では、総勢45名もの人気VTuberたちが出演。「VTuberスペシャルカラオケステージ」や、話題のシチュエーションコメディドラマ「【四月一日さん家の】スペシャルステージ」、「バーチャルさんがいっぱい スペシャルバーチャライブ」など、2日間に渡りトークやライブ、バラエティ企画が実施されていた。こちらも、リアルなアーティストとなんら変わらないような雰囲気で、席が埋め尽くされていたのが印象的であった。
ユニークだったのは、「会える! 話せる! VTuberおしゃべりフェス in 超会議」エリアだ。ここでは、約50名ものVTuberと1対1で対話ができるようになっていた。1分間という限られた時間ではあったが、ある意味最高のインタラクティブな体験ができる場所となっていた。
■「超台湾」
台湾の魅力を、最新テクノロジーを駆使して紹介していたのが、「超台湾」ブースだ。台湾発のVTuberのライブやトークショーが行われていたほか、台湾の伝統行事「廟会(びょうえ)」をモチーフにしたリズムゲームも登場。独特の衣装を身にまとい、ゲームに挑戦することができた。
「バイクの滝(機車瀑布)」とも言われる、台湾のラッシュアワーをVRで体験するコーナーも登場。こちらはゴーグルを被りスクーターにまたがって、180度の映像が見られるというもの。実際にその映像を覗いてみると、その圧倒的な物力に驚かされる。
■「超JALブース」
JALのブースでは、「旅を試着する」をテーマに、ハワイの香りや風をVRで体験できる「JAL xR Traveler」ハワイver.などが出展されていた。こちらはハワイの大自然やバーベキュー、朝日を浴びながらのウォーキングに海辺など4つのコンテンツが体験可能となっていた。
また、ひとり乗り電気自動車の『CMOS』も展示。こちらは、小型で機動性が高くCO2を排出しないため環境にやさしいモビリティとして、航空機の整備士がオフィスや航空機間の移動に活用している。
■「VR長岡花火」
毎年8月2日と3日に開催されている「長岡花火」が、VRで体験出来るブースも登場。こちらは長岡花火完全実況生中継の別班制作による、360度の映像と音響のリアルな体験ができるようになっていた。ちょっと凝っていたのは、体験の列だ。まるで花火の場所取りのようにイス席に座って順番を待つようになっており、さながら本物の花火を心待ちにしているようであった。
■「日本電信電話ミカカランド・NTT超未来研究所」
今回のイベントを超特別協賛しているNTTだが、「日本電信電話ミカカランド・NTT超未来研究所」としてかなり広めのスペースをとり、VRや触覚など最先端技術を使ったユニークな展示をいくつもおこなっていた。
- 【超触感ラボ】
「グルメ編」「スマホ編」「公衆電話編」「スポーツ編」と、様々な触覚が体験できるというユニークなコーナー。せんべいを食べるときの触覚や、映像と音声、振動が合わさった未来のスマートフォン、振動でコミュニケーションする公衆電話、テニスを一緒にしたときの振動などを体験することができるようになっていた。
- 【超ゾクゾク!】Comptics × VRでグッ!ときてハッ!としろ!
「SXSW2019」にも出展されていた、Comptics × VRの「ME-HADA」が同会場にも出展されていた。映像に加えて触覚が加わることで、ハッとするような体験ができるというもの。椅子に座ってゴーグルやデバイスを取り付けて体験するほか、順番を待っている人たちも触れることで簡易的に体験できるようになっていた。
- 【超没入!超絶叫!】超広角視野VRゴーグル
普通のスマートフォンを使用していながら、ヒトの視覚特性に合わせた特殊レンズを使用することで超広角視野を実現したVRゴーグルが体験できるコーナー。ヒトの視界は、真ん中とその周辺では見え方が異なる。ハッキリと見えているモノを視界の中心に表示し、周辺にボケた映像を表示することで超広角視野を実現している。
- 【超視覚測定】シカクノモリ シーズン2
プレイヤーは「シカクノモリ」に訪れた旅人となって、「光の強弱を見るチカラ」と「複数の動くものを目で追いかけるチカラ」を使いゲームを進めていくといった内容のコーナー。「イージーモード」と「ハードモード」の2種類の難易度が用意されており、ミニゲームで「見えるチカラ」を測定することができる。
- 【超高臨場】16K超ワイドで君こそラガーマン!
ジャパンラグリートップリーグに所属している選手と一緒に、トライが体験できるコンテンツだ。こちらは、ラガーマンの速さを余すところなく収録するために、複数の4Kカメラ映像をリアルタイムで合成し、16Kの巨大な高精細パノラマ映像を生成するKirari!の技術を活用している。
- 【超ふれあいVR】セバスちゃん握手会で萌えろ!
「ドコモAIエージェントAPI」の非公式バーチャルキャラクターであるセバスちゃんと、握手ができるコンテンツだ。音声認識技術と自然言語処理、音声合成技術を活用し、バーチャルな握手会が楽しめるようになっていた。
- 【超錯覚】超歌舞伎がリアルに見える件
「多層空中像表示技術(Kirari! for Mobile)」を拡張して、3層の多層空中像を正面と背面から同時に視聴できるようにした「両面透過型多層空中像表示装置」を使ったデモも展示。一見すると透明のディスプレイに、初音ミクが登場しステージ上を歩く様子を見られるようになっていた。
すでに来年の「ニコニコ超会議2020」も開催されることが決定している。日程等の詳細はまだ明らかになっていないが、4月に幕張メッセで開催される予定である。オリンピックイヤーとなる次回は、どんなユニークなコンテンツが登場するのか、今から楽しみだ。
■「ニコニコ超会議2019」概要
会場来場者数:16万8248人
ネット来場者数:666万3,612人
開催日時:2019年4月27日(土)・28日(日)
会場:幕張メッセ国際展示場1~11ホール、イベントホール
超特別協賛:NTT
特別協賛:#コンパス~戦闘摂理解析システム~ / スズキ株式会社
協賛:日本航空株式会社
カテゴリー協賛:
イケメンシリーズ / グリーン ダ・カ・ラ / サッポロビール株式会社 / 日本たばこ産業株式会社 / JOYSOUND / 大和証券株式会社 /株式会社タカラレーベン / 超パチンコ×パチスロ フェスティバル /Twitter / 東武トップツアーズ株式会社 / 西川株式会社 / 日清食品 / ビタミン炭酸MATCH / ヤマト運輸株式会社 / U-TREASURE / 株式会社ルミカ
公式サイト:http://chokaigi.jp
■「ニコニコ超会議2020」概要
開催日時:2020年4月
会場:幕張メッセ
Photo&Words 高島おしゃむ
コンピュータホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。
雑誌の執筆や、ドリームキャスト用のポータルサイト「イサオ マガジン トゥデイ」の
企画・運用等に携わる。
その後、ドワンゴでモバイルサイトの企画・運営等を経て、2014年より再びフリーで活動中。