04.26
【World MR News】日本マイクロソフト、週休3日制を試験導入し社員の生産性と創造性を高める自社実践プロジェクト「ワークライフチョイス チャレンジ2019夏」を実施
日本マイクロソフトは、4月22日に自社の「働き方改革の新たな自社実践の取り組み」に関する記者発表会を実施。その中で、自社実践プロジェクト「ワークライフチョイス チャレンジ2019夏」を実施すると発表した。
日本政府が将来の社会変革について取り組んでいる「Society5.0」が活性化してきており、デジタルテクノロジーを使った仕事の仕方が変わってきている。今年の4月には「働き方改革法案」も宣言され、「働き方改革」の重要性が高まってきていると、日本マイクロソフト 代表取締役 社長の平野拓也氏はいう。
同社では、10年以上前から働き方改革の取り組みを行っている。平野氏が2015年7月に社長に就任したときに、「働き方改革の推進リーディングカンパニーにしたい」と宣言している。これまで、様々な失敗や成功から学び、今では「日本マイクロソフトと言えば働き方改革の会社だね」とまで言われるようになったという。こうした取り組みにより、社員ひとりあたりの生産性も向上し、社員の満足度も向上している。
同社では、社員ひとりひとりが異なる状況にあり、そうした多様なライフスタイルに合わせて仕事の仕方が選べるようにする考え方のことを、「ワークライフチョイス」と呼んでいる。とにかく働きたい、子育て、介護の時、スキルを磨いていきたい、社会のネットワークを築いていきたい、社会貢献をしていきたいなど、それぞれのライフステージで求めているものや時間を掛けるべきものが異なり、それらがコアの仕事とは別にあるのだ。
そこで同社では、それぞれのライフステージに合わせて罪悪感がなく必要なことに時間が取れるために、新たな自社実践プロジェクトとして「ワークライフチョイス チャレンジ2019夏」を、今年の夏に実施する。対象となるのは、日本マイクロソフトの法人で働く正社員2300名だ。これは、日本マイクロソフトが独自に行うプログラムでもある。
来年開催されるオリンピックやパラリンピックの次期とも連動しており、夏の期間限定の取り組みとなっている。
この「ワークライフチョイス」には、ふたつのプログラムがある。ひとつは、ワークライフチョイスの機会を増やすために週勤4日と週休3日制をトライアルで実施する。8月のすべての金曜日は休みとなる。仕事の時間が20パーセント少なくなるということから、いい話ばかりではなく平野氏にとってもチャレンジであるという。
また、ワークライフチョイス推進の実践を促すために、ワークライフチョイス社員支援プログラムも実施する。こちらは3つの支援策が用意されている。
ひとつは、「For Work(自己成長と学びの視点)」として、休みとなる金曜の時間を使い、社員自らの成長に取り組む知識や自己成長をするための時間だ。ふたつ目は「For Life(私生活やファミリーケアの視点)」で、こちらは社員が家族も巻き込んで取り組む支援である。三つ目の「For Society(社会参加や地域貢献の視点)」で、社会貢献などに参加するための支援を行っていく。これらを実施するために、社員ひとりあたり最大10万円を超える補助も行う。
■「ワークライフとチャレンジ2019夏」の実施概要
「ワークライフとチャレンジ2019夏」を導入することの狙いは、あくまでも「短い時間で働き(生産性の向上)、よく休み、よく学ぶ(創造性の向上)」ことで、週休3日が目的ではない。日本マイクロソフト 執行役員 常務 クラウド&ソリューション事業本部長 兼 働き方改革推進担当役員の手島主税氏は、「生産性をさらに向上させるには、従来のやり方ではない方法が必要。社員ひとりひとりの創造性をいかに上げていくかが重要だ」と、その目的を語る。
この強化期間は、行政が発表している今年の「テレワークデイズ2019」と連動しており、7月22日~9月6日の期間行われる。
ワークライフチョイスの機会を増やす取り組みとして、週勤4日&週休3日制をトライアルで実施。今年の8月の金曜日の5日間を「特別有給休暇」に指定し、従来までの有給とは別に設けられる。期間中、日本マイクロソフトの業務は、全オフィスクローズとなる。また、同様のトライアルを来年も実施する予定だ。
ワークライフチョイスの実践を促すために、社員支援向けプログラムも用意されている。「For Work(自己成長と学びの視点)」では、自己啓発を促すための支援を会社として行っていく。また、新しい取り組みとして社内の活動に閉じることなく、異文化異業種職場体験なども行えるようにする。
「For Life(私生活やファミリーケアの視点)」では、“わくわくライフ”関連費用支援を新たにプログラム化。レジャーやエンターテイメント、旅行にリラクゼーション、スポーツなど家族との接点向上を含めて、ライフスタイルを向上させるための活動を支援していく。
「For Society(社会参加や地域貢献の視点)」では、社会貢献活動のマッチング制度を作る。
当然のことながら、ただこうした取り組みをやるだけではなく効果測定もしっかりと行っていく予定だ。そのフレームワークとしては、削減や最小化を目標とする指標群の「削減系」と、活性化や増加を目標とする指標群の「向上系」、そして社員の気持ちや印象を確認する指標群の「満足系」の3つのテーマで行われる。
こうした取り組みを通じて、「ワークライフチョイス チャレンジ2019夏」がどこまで社会に貢献でき、会社にも貢献できるかを実践していくとのこと。
Photo&Words 高島おしゃむ
コンピュータホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。
雑誌の執筆や、ドリームキャスト用のポータルサイト「イサオ マガジン トゥデイ」の
企画・運用等に携わる。
その後、ドワンゴでモバイルサイトの企画・運営等を経て、2014年より再びフリーで活動中。