2019
03.26

【World MR News】VR展示のノウハウと被らないOculus Goアプリ――「Standalone VR Meetup #01」レポート②

World MR News

3月18日に開催された、スタンドアロンVRに関連した知見やアプリに関する情報を共有するイベント「Standalone VR Meetup #01」。本稿ではその中から、さわぐち氏としちE氏の2組をピックアップしてご紹介する。

■VR展示しようぜ!~様々なケースで展示してわかったノウハウっぽいもの~

フリーエンジニアのさわぐち氏(@amidaSawaguchi)からは、「VR展示しようぜ!~様々なケースで展示してわかったノウハウっぽいもの~」をテーマに発表が行われた。

さわぐち氏。

さわぐち氏には、どんな些細なものでも作ったら見せる。誰かに見せることで、初めて自分や作品も成長できるという信念があるという。VRに携わるようになったのは、ちょうど1年ほど前だったそうだが、様々なところで展示を行ってきている。

今回のイベントは、これからVRを趣味や個人開発して展示を行う人たちのための、ノウハウやそこで感じたことなどを共有するために参加したそうだ。

衝撃だったVR作品『ギロチンVR』を始め、実写VRやスマートスピーカーを利用した作品など、2018年3月にVRに係わって以来、怒濤のようにVR作品の展示を行ってきたさわぐち氏。こうした展示までの課程には、「展示に向けた開発」「展示準備」「展示中」「撤収」という4つの工程があるという。

まずは「展示に向けた開発」だ。これは5つのポイントがある。VRコンテンツは、1回プレイしたら終わりという場合が多い。そのため、最初の1回で楽しんでもらえるように意識したほうがいいという。

一般の人はVRゴーグルを被っていると、どこで脱げばいいかわからないときがある。そのため、「始まり」と「終わり」をしっかりと作ってあげたほうがよい。たとえば超大作の場合は、一部のみを体験用として切り出しておいたり、おおよそのプレイ時間を決めておいたりするのがいいというわけだ。ちなみにさわぐち氏の場合は、2分ぐらいで終わるコンテンツを目指して作っているとのこと。

また、初めてコントローラーを持つ人は、操作がわからない。極論として、使用するボタンをひとつに限定したほうがわかりやすい。あるいは、どのボタンを押しても同じ動作がするようにするというやり方もある。操作をシンプルにすることで、説明やアテンドもしやすくなるというメリットも生まれてくるのである。

たとえば銃を撃つというゲームがあった場合、メニュー選択も銃にしてしまい、操作とゲームの内容を一致させるとわかりやすくなる。UIも余計な物をいれず、得点がゲームのコアならば得点だけを出すようにしたほうが迷いにくくなるのだ。

VRゴーグルを被ってしまった後では、説明を聞いてもわからなくなるので「何をすると始まるか」などが書かれているとわかりやすく、サービス精神があると思い盛り込んでいるそうだ。 

展示とはいえ、FPSは意識して作っておいた方がいいという。さわぐち氏の場合は、なるべくローポリモデルを使用して、無理や贅沢はしないようにしている。リアルタイムのライティングは1個が限界で、重いと感じたときは影を付けないようにするという思い切りも大事だ。こうした不可に気を付けることで、展示中のバッテリーの持ちにも影響してくるという。

VRといえば切っては切り離せない問題に、「VR酔い」がある。さわぐち氏も書籍等を参考に、テストなどをしたそうだ。また、今自分が作ろうとしているジャンルと同じ作品をプレイしてみることで、他の人がどんなUIや操作形態にしているのか参考にしてみるのもいい。

展示では、VRゴーグルを被らなくても内容がわかるものを用意しておいた方がいい。これは、「被って何をするの?」という前段階があるといいなと考え、待っている人たちがわかるようにペライチの説明や動画を流すようにしているそうだ。

衛生面も気を配った方がよく、ニンジャマスクやウェットティッシュは使う使わないにかかわらず持っておくと選べるのでいいという。コンテンツによっては、抑えるだけで済むのでヘッドバンドを取っておいた方がいい場合もある。複数台にインストールするときは、「Oculus開発者センター」を利用して、事前インストールしておくと便利だ。

展示中は、いろいろあるため、出たとこ勝負の部分もある。これまで遭遇したトラブルには、前髪で画面がブラックアウトししまったり、屋外展示でレンズが焼けてしまったりといったことがあったという。とくに夏場の屋外は汗がすごいため、なにかしらの対策が必要となる。

最後にさわぐち氏から、「繰り返しになりますが、何かを作ったらちょっとでも良いから出していきましょう。ものづくりでみんながちょっと幸せになれる世の中は素敵だと思います。VRを作ろうと思っているけど、アイデアが固まっていなくても、考えてアウトプットすることで、なにか変化があると思います」とメッセージを語り、発表を締めくくった。

■被らないOculus Goアプリを作ってみた&デバイスを持ち運ぼう

VRといえばゴーグルを被って体験する物がほとんどだが、やや変わった使い方を試してみたのがしちE(@shichi_14)氏だ。

しちE氏。

Oculus Goの特徴には、スタンドアロンで3DoF、コントローラーが付属しヘッドホンからちょっと音漏れする。そして安価だ。そこで、しちE氏が注目したのがヘッドホン部分である。「ヘッドホンから音を出せば楽器になるのでは?」と考え、作ってみたという。

実際に作ってみたものは、Oculus Goを振ると子供をあやすおもちゃのような音が出るというものだったが、たしかにOculus Goのスピーカーから音が流れていた。これは「音を鳴らすという意味では本質的に楽器と同じである」と、しちE氏はいう。

しかし、よく考えてみれば同じことがスマートフォンでも同じことができるのでは? ということで、作って見たところ、やはり同じようにスマートフォンを振ることで音が出すことができた。だが、Oculus Goにはコントローラーがあるため、そちらにも対応したところ、両方で音が鳴らせるようになったそうだ。

しちE氏が今回の発表でもうひとつテーマに上げたのが、デバイスの持ち運びだ。VRデバイスがスタンドアロンになり持ち運びやすくなったが、どうやって持ち運べばいいのか? という問題がある。しちE氏がツイッターでアンケートを取ったところ、1週間で66票が集まっている。

その結果、Oculus Goで一番多かったのは「カバンに直入れ」だった。Mirage Soloは12票しかなかったためサンプルとしては少なめだが、こちらは少し傾向が異なり「硬めのケースに入れる」という意見がもっとも多かったそうだ。

これらを同時に持ち運ぶときには、まずアマゾンで2500円~3000円ほどで売られているMirage SoloまたはPSVR用のケースを購入する。そのケースにMirage SoloとOculus Goを入れることができ、さらにニンジャマスクも100枚ほど入れることができるという。

持ち運びが便利になり喜んでいたしちE氏だったが、とんだ落とし穴があった。なんと、電車の網にケースごと忘れてしまったという。その場合、すぐに気が付いた場合は駅員に話しをすることで、次の駅員に連絡してくれるそうだ。

少し時間が経った場合は、終点駅や接続駅に連絡し、さらに時間が経った場合は忘れ物センターに連絡する。最初から忘れ物センターに連絡しても、まだ登録されていない場合があるからだ。

こうした対応をとったのだが、残念ながらしちE氏のOculus GoとMirage Soloは新品になってしまったそうだ。教訓としては、デバイスを持ち歩くときは、網棚などにはおかずに手元に持っている方がよさそうである。

PhotoWords 高島おしゃむ
コンピュータホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。
雑紙の執筆や、ドリームキャスト用のポータルサイト「イサオ マガジン トゥデイ」の
企画・運用等に携わる。
その後、ドワンゴでモバイルサイトの企画・運営等を経て、2014年より再びフリーで活動中。