07.06
【World MR News】HoloLensで建築デザインを新しいレベルへ導く
MicrosoftがTrimbleと新たに提携したことで、世界中の建築家がHololendsを利用し、空間をより簡単かつ効率的に設計できるようになった。HoloLensは、コンピュータスクリーン上の2D画像と物理空間内の3Dモデルとの間の橋渡しをし、建築物とデザイン両方を見るための新しい手法をつくり出している。
建築家のGreg Lynn氏は、HoloLensを使用することによって、手掛けるプロジェクトの規模や形、空間をより良く理解し、外観をMR技術によって視覚化し、そのプロジェクトにおける意思決定を、無駄な時間やお金や労働力を費やすことなく、確実なものとして進行できるようになったという。
Lynn氏がHoloLensでどのように仕事をしているのか実際に見てみよう。
イノベーティブ・デザインの牽引者にしてUCLAの教授でもあるLynn氏は、HoloLensのSketchUp Viewerが、建築とデザインにおいて新しい、より良い方法を示すことになったとして、既に特別なプロジェクトにおいてHoloLensを使用している。ミシガン州デトロイトにある古びて廃棄されてしまった自動車工場であるパッカード工場を再設計したのだ。これは、2016年のヴェネチアビエンナーレ建築展で米国パビリオンに出展された。
Lynn氏は米カリフォルニア州ロサンゼルスに自分のワークスタジオを持っており、彼はそのスタジオにいながらにして、ミシガン州デトロイトの古い工場のホログラムの中に立つことができたのだ。それはHoloLensを使用したからにほかならない。また、何か模型のようなものなどを建てることもせず、彼は自分の建築計算が正しいのかどうかを判断でき、そして廃棄工場の輪郭・外形を知ることができた。
Lynn氏は、HoloLensが建築とデザインにおいて重要な位置を占めていると考えている。「私は人生をかけて、ジオメトリ(図面や構想構図)から現実世界へ建築物をつくり出すことをやってきました。HoloLensは、2次元と3次元、そして実際の物理空間の間のギャップを橋渡しできるんです、これこそが建築です。そしてこれは、“革命”なのです。」
一般消費者に浸透するようになるにはあと5~10年はかかるのではないかとも見込まれているMRの世界。建築など、ニーズの高い業界では既に実践で使われているHoloLensだが、Microsoftはこの先も躍進し続けるだろうか。世界からの注目は続く。
参照元:https://www.onmsft.com/news/for-architects-microsoft-hololens-brings-design-to-a-new-level