2017
06.08

【World MR News】Mixed Realityは次のテック・バズワード

World MR News

技術系の流行語とも言えるテック・バズワード。日本語ではまだ広く一般的には浸透していなような言葉だが、「もっともらしいが、実際には定義や意味があいまいな用語」として捉えられることが多い。今までもこれからも、テック・バズワードはどんどん生まれていくだろう。“Mixed Reality”はどうだろうか。オンラインサイトvocativでは次のように報じている。

Microsoftは、まさに今“Mixed Reality”という言葉を使っている。デジタルと物理的な世界を融合させる新しいヘッドセットを世に出すために。

Mixed Realityは、基本的には、仮想現実(VR)と拡張現実(AR)の両方を包括する用語であるが、Microsoftは今回発表した新しいヘッドセットのライン全て(Acer Windows Mixed Reality headset、HP Windows Mixed Reality headset、ASUS Windows Mixed Reality headset、Dell Windows Mixed Reality headset、Lenovo Windows Mixed Reality headset)に、Mixed Realityを用いた。

■参考動画:What is Windows Mixed Reality?

Microsoftは、VRおよびARという個々の用語を使うことを否定しているのだが、これはHoloLensのクリエイターが、VR/ARはもはや時代遅れの用語になると信じているからだ。ARはヘッドセットを必要とせず、物理的な世界の映像に、スクリーン上で重ね合わせたビジュアルのことを指し、VRはコンピューター内に存在する、コンピュータによって生成された3D体験のことを指すような用語になっている。

HoloLens開発者であるアレックス・キップマン氏は、新作ラインナップ発表の際に、「これらは別々の概念ではないんです。Mixed Realityの連続性の中に、別の視点のラベルがあるだけなんです。これを単純化するために、すべてを“Windows Mixed Reality”と呼びます。」と話している。

“Mixed Reality”という言葉は、1994年頃から出始めた。エンジニアのPaul Milgram氏と岸野文郎氏の研究論文「A Taxonomy of Mixed Reality Visual Displays」において、環境のインプット、空間音、位置など、過去のディスプレイの経験の概念などが詳述されている。Microsoftはこの言葉を「人間、コンピュータ、環境の相互作用の進化」とみなし、これまでは想像の中だけに限られていた世界が、現実として可能なものへ解き放たれたと考えている。

Microsoftだけがこのような捉え方をしている企業ではない。 Magic Leap(多くのプレス情報は出ているがまだプロトタイプをリリースしていないミステリアスな会社)もMRという言葉を使い、自社のヘッドセットを宣伝している。

VR/ARという用語はもう古いというMicrosoftの提唱が正しければ、この先の5年間で、スマートフォン、アプリ等々、多くのガジェットが「MR」という言葉の持つ機能によって世界に広がっていくことになるだろう。

 

記事参照元:http://www.vocativ.com/434455/mixed-reality-tech-buzzword/